ちっちゃな彼女。上 ２

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Aさんの診断結果

28自分の席の前で、ただ立ち
尽くすあたしに、やっと麗
奈と呼ばれた人は気付いた。

「津田さん？」

「はいっ……えっ？」

何で名前を……と、聞く前に
答えは分かった。

「ちっちゃーい♪かわいいっ♪」

あ……。

そういうことか。小さいから
先輩の目に止まったんだ。

「ど、どうも」

「この前はごめんね？」

「いえ」

「何？ふたり知り合い？」

重岡くんが聞く。

それは……あたしが聞きたい。

「ちょっとね♪」

答えたのは、麗奈と呼ばれた人。

「重岡くんとあなたは、どんな
関係なんですかっ？」

すっかり忘れてたけど、
隣にいた愛菜ちゃん。

聞くに聞けなかったあたしの
変わりに、聞いてくれた。

「俺と麗奈は幼馴染み」

「そう♪……って大毅!学校では、
藤堂先輩って呼びなさいって、
言ってるでしょ!」

「麗奈だって、大毅って
よんでんじゃん」

「大毅は年下なんだからいいの!」

えっと……

「先輩……なんですか？」

「あ、自己紹介してなかったね、
ごめんなさい。２年の藤堂麗奈
です。さっき大毅が言った通り、
大毅とは幼馴染み。大毅がいつも
お世話になってます」

キーンコーンカーンコーン……。

藤堂先輩が言い終えるか
終えないかぐらいのタイ
ミングで、チャイムが鳴った。

「鳴っちゃった!じゃあね。
大毅、今日一緒に帰ろうね。」

そう言い残し、藤堂先輩は
手を振りながら、教室を出ていった。

気づけば、教室にいるほとんどの
生徒が、あたし達のやり取りを
見ていたようで、

「初めて至近距離で藤堂先輩
見たし!ﾏｼﾞ綺麗じゃねぇ!?」

と、興奮している男子。

女子は女子で、

「悔しいけど王子とお似合いー♪」

なんて、言っている。

藤堂先輩は、この学校の有名人
らしい

まぁ、あんなに綺麗な人だもん。
当たり前か……。

知らなかったのは、そういうことに
うとい、あたしぐらいだったみたい。

藤堂先輩……。