【獣の奏者エリン】混血の異種はアクン・メ・チャイ

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Aさんの診断結果

勉強は好きですかあれから一年。
普通の暮らしというものが大体わかった気がする。
まぁ、一年経ってもよくわかってはいないが。

ｴﾘﾝ「リーラオ！これはなんて読むの？」

僕はリーラオという名前をもらった。
なんでも、花の名前なんだとか。

ｴﾘﾝ《ほら、両眼の色が違うから、この花。リーラオって言うんだけど、赤い斑点とオレンジ色がぴったりだと思って。》

花の本を渡したらこうなった。

『これは、てんきゅう。』

ｴﾘﾝ「てんきゅう、、、、？」

『天泣。晴れてるのに雨が降ること。』

ｴﾘﾝ「晴れてても、雨は降るの？」
『降るんじゃない？こんな言葉があるんだから。』
ｴﾘﾝ「じゃあ、降らなかったらこんな言葉はなかったの？」
『・・・ただの空想かもしれない。』
ｴﾘﾝ「それって、ありもしないものを言葉にしたの？」
『そうだね。人間はなんでも形にしたがるから。』
ｴﾘﾝ「・・・ふーん。」
『質問はおわり？』
ｴﾘﾝ「うん。じゃあ、ね、これはなんて読むの？」
『・・・せきせき』
ｴﾘﾝ「どういう意味？」
『そっとしている様。』
ｴﾘﾝ「寂しいって事？」
『寂しくも悲しくない。ただそこに、物音もなく一人でいるってこと』
ｴﾘﾝ「それって寂しいね。」
『僕は知らない。』
ｴﾘﾝ「寂しくないのに、どうして、寂しいが二つなの？」
『寂寂(せきせき)は、寂しさを押し殺す。という意味でもある。そして、静か。ひっそりと。という意味から、自分の意思ではく、第三者の意思でそこにいるってこと。』
ｴﾘﾝ「？？つまり、好きで一人でいるんじゃないって事？」
『好きで一人でいるわけでもない。けれど、嫌だといって逃げ出す程でもない。寂しくないという思いが寂しいと思われたから、二つの寂しいがある。っていう説明のほうがよかったか。』
ｴﾘﾝ「じゃあ、その寂寂しい人はどうなっちゃうの？」
『エリン、さっきの話は例え話みたいなものだ。そんな人は実在しないよ。ただそういうイメージってだけ。』
ｴﾘﾝ「え、それじゃあ、」
『物静かで口数少ない。まるで自分から壁を作っているようだけど、話すときはちゃんと話す。それを、寂寂たる人っていう。』
ｴﾘﾝ「ふーん。」

『そろそろ寝よう。明日も王獣のところへ行くんだろう。』
ｴﾘﾝ「あ、そうだった！そうだね。もう寝なきゃ！」

ドタバタと片づけをしているエリンを見つめる。

実際、エリンの質問の多さには困る。
でも、僕は問題ない。
“全部覚えてる”から