Aさん、みてくれてありがとうございます。
嘘を心にしまいこんで微笑みに後ずさり、
「・・・失礼ながら、今日の勤務は何時頃ですか?」
「?3時頃、ですけど。」
「・・・・そうですか、、」
と俯く。
「それじゃ、お使いください。」
傘を握らされ、店員は彼女の手の冷たさに驚いた。
彼女も温度差に力む
「えっ、でも、、、、ありがとぅございます。」
そして彼女も、言っても無駄だと観念したように礼を言う。
「それじゃあ、ありがとうございました。」
「はい。返却はしなくても大丈夫ですから。またのお越しをお待ちしております。」
彼女はお辞儀をして、傘をさして駆け足で帰っていった。
安室視点
彼女が店に入ったとき、こんな雨の中でよほどの用事なのだと思った。
そして近づいたとき、一目惚れをした。
高校生には似つかわしい黒縁メガネの中に輝くグレーの瞳に、色白の肌。
少し乱れた二つ結びの髪が胸を騒ぎ立てる。
店内でのまちあわせ
それがどうも引っかかった。
会った相手は30〜40であろう。おじさんといってもいい世代。
まぁ、あまり僕とはかわらず、
彼は彼女に下心がある。
頭を撫でている仕草で分かる。
そして先生という呼び方。
学校の教師としてはならぬ行為。
どう痛めつけようか、なんて考えてしまった。
彼が帰った後も彼女は座らず突ったったまま。
どうにか話かけたかったから、タオルを渡そうとしたが、断られ。
傘を無理にでも押し付けた。
その時の手の温度差だろうか、彼女は手に力をいれ、僕の手首を引っ掻いた。
彼女はそれに気づいていないだろう。
でも、
どうして、車で来たなんて嘘をついたんだろう。
まぁ、彼女は知らないからいいか。
**********************:
彼女は、雨の中公園のど真ん中に立っていた。
「・・・どうして、車できたなんて嘘をついたんだろう。」
傘を渡されたとき、思わず力んで引っ掻いてしまった。
彼になんて謝ろう。
そもそも傘をどうやって返そう。
あそこは帰るのには遠回りになってしまう。
まぁいいか。
あそこのカフェオレの匂いはとても美味しそうだった。
「行き着けにしよおかね。」
ニシシと笑う彼女は、傘を閉じて
スキップしながら家へ帰っていった。
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泡沫斬夜(プロフ) - 降谷かのんさん» 有難うございます!がんばります! (2015年1月22日 18時) (レス) id: b08ff60818 (このIDを非表示/違反報告)
降谷かのん(プロフ) - 続編楽しみにしています!! (2015年1月22日 17時) (レス) id: 865cd0780e (このIDを非表示/違反報告)
泡沫斬夜(プロフ) - かのん♪さん» お気に入りだけでもなくコメントまで!ありがとうございます!がんばります!! (2015年1月7日 22時) (レス) id: b08ff60818 (このIDを非表示/違反報告)
かのん♪(プロフ) - お気に入り登録してみてます!更新頑張ってください! (2015年1月7日 21時) (レス) id: 865cd0780e (このIDを非表示/違反報告)
泡沫斬夜(プロフ) - 美歌月なおさん» ありがとうございます! (2015年1月6日 10時) (レス) id: b08ff60818 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泡沫斬夜 | 作成日時:2015年1月5日 0時