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「隣の県だから、ちょっと時間かかるけど。
めっちゃ綺麗だからさー、もうちょい我慢して?笑」
いつになく明るい顔を見れば見るほど、胸が苦しくなる。
「あのさ、紫耀…ッ やっぱり私「ええから!!」
「今日くらい、ついてきてや。
…今は、誰のもんでもないやろ。」
「…ッ、わかった。」
その言葉はあまりに現実みを帯びていて。
何かを覚悟しているサラの横顔が、私の心を熱くする。
「せや、着く前に腹ごしらえやなー!」
「確かに、お腹減った!」
「次のパーキングエリア、結構人気な店多いんよ。」
「そうなの!?行く!」
サラが楽しんでるなら、私も楽しみたい。
今はサラの前にいるんだ。笑顔でいたい。
「おう!楽しみだなー!」
「うん!」
パーキングエリアで人気なフードを2人で分け合って、また柔らかな時間が流れ始める。
行列必至のチョコレートコーヒーに、アップルパイ。ご当地ラーメンを2人でぺろりと平らげた。
「本当に美味しかった!!」
「やっぱAの食い意地はすげえな。笑」
「はあ!?紫耀が何でも食べ良いって言うからじゃん!」
「普通男の前だったら遠慮すんだろ。笑」
「んなッ!!どーせ、私は女じゃないですよ!!」
「あはははっ!!ほんと面白れー!ほんと大ッ好きやわ!」
「…ッ!?」
そんな笑顔でそんなこと言われたら、普通に照れるし。
…好きだって言われれば、言われる分だけ。
哀しくなってくる。
.
辺りはすっかり暗くなって、窓から覗く景色も深い色に染まっていく。
山道のカーブに体を揺さぶられながら、高台に登っていく。
その時が、近づいてる。
でも、私たちは変わらないよね。
…なんて、わがまますぎるかな。
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*咲七波*(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます!前から見てくださっているなんて嬉しいですー!しかも勿体ないお言葉頂けて恐れ多いです…!涙 ぜひぜひ読み返してください!他の作品にもコメント待ってます!笑 (2018年12月8日 17時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
みるく - はじめまして!前から見させてもらってます!なのにコメしなくて申し訳ないです… もう号泣しまくりですよ!もう作者様大好きになりました!!この文章力、小説書いて売った方がいいです!読み返しますし、他の作品も見たいと思います!長い駄文失礼しました!! (2018年12月8日 11時) (レス) id: 58c3937f81 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - *咲七波*さん» なんか、見てたら知らん間に泣いてた〜。恋愛小説もたまにはいいねー (2018年11月20日 17時) (レス) id: c1ea85b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - らいみぃさん» コメントありがとうございます!泣いてくださったんですか!?嬉しいです… 平野くんを必死に堕とそうとする話を絶賛更新中なのでぜひそちらも!笑 (2018年11月5日 14時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
らいみぃ - このお話が大好きです!もう、泣きました。ほんと作者様ありがとうございます、お疲れ様でした。これからも別のシリーズ頑張ってください! (2018年11月4日 22時) (レス) id: 657c2ba17c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*咲七波* | 作成日時:2018年10月14日 23時