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テーブルに置かれたカードキーを手に取ると、それと一緒にオッサンのぶくっとした乾燥した手を握る。厭らしく得意の指を撫でて。


「でも…帰らないと…病気の弟が待ってるから」


いねぇけどな。
ゆっくり、瞳をオッサンに向けると、オッサンの顔はゆるゆるだった。



「……」
「ごめんなさい。本当は一緒に泊まりたいんですけど.....」



信じるか、信じないか、こんな見え透いた嘘が通用するとも思えないが、俺なら出来る。
オッサンの手をぎゅっと更に包み込んだ。



「そうだったのか。分かったよ。またにしよう。」



そう優しく笑うと、オッサンは手を小さく上げウェイターの人を呼んだ。



「持ち帰りのアラカルトをお願いしたいんだが。サーロインステーキを」
「承知しました」



ウェイターは頭を下げ去っていく。
え?



「病気の弟さんに食べさせてあげなさい」
「っ、ありがとうございます」



このオッサンは、お人好しなのか?
ホントに騙されてくれた?
何十万もする部屋を断った俺に持ち帰りまでさせてくれるのか?!


…馬鹿なの?



「…でも...すみません。部屋って高かったですよね?」
「ああ、いいんだ。そんな事は。
君と食事に来れただけで今日は満足だ。弟さんが病気の中、無理に誘って悪かったね」
「弟の事まで気にしてくださり、ありがとうございます」



ただのオッサンかと思っていたが、
やっぱり変わり者だった。



弟なんていないのに、
少しだけ罪悪感を抱いた瞬間だった。



(このサーロインどうしよう)







「…で、俺にくれるの?このパトロンからのサーロイン」
「別にパトロンじゃねぇし」
「いやいや!身体だけの奴よりもっとタチ悪くない?!すげえ好きじゃん!そのパトロン!ミツのこと!」
「そんなブーブー言うなら食わなくてよし」
「貰ったのは俺だもん!ミツの可愛い弟でしょ♡」
「俺にはこんな生意気な弟いねーよ」




オッサンと別れ、タクシーで向かったのは自宅ではなく、友達の二階堂のマンションだった。
二階堂とは腐れ縁で中学の同級生でずっとつるんでいた。
二階堂だけが、別れさせ屋の事を知っている。



二階堂はいつも危ないから、足を洗いなと忠告してくるが、こうやって普段は食べれない高価なモノを餌付けすると耳を出して喜ぶ、様に見える。
単純な奴だった。

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ももは(プロフ) - くらげさん» くらげさんっ!こんばんは!コメントありがとうございます!わぁー!ご覧頂けてたなんて嬉しくて照れます(^^)Fさん恋の終わりが訪れ、騎士になったかと思いきや…ちょっと無自覚です。本当にただの騎士だと思ってるだけ、なのか♪移行後もご覧頂けると嬉しいです(^^)/ (4月2日 18時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ももはさん、こんばんは!Fさんが痕が早く薄くなればいいと思ってるのを読んで恋の終わりってこうだよね…と切ない気持ちにもなりましたが、そこからのまさかの騎士…!!騎士になられるんですか?!とテンションダダ上がりでした(笑)移行後も楽しみにしています! (4月2日 0時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - makoanjyuさん» makoanjyuさんっ!いつもありがとうございます☆*はい!夜中に更新をしてしまいましたっ!移行後は、ナイトさん、ふらつきます(^^)/思い通りに展開しないKさまイラついてます。もうすぐでアップ出来ると思いますので、引き続きご覧頂けると嬉しいです♪ (4月2日 0時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)
makoanjyu(プロフ) - 夜中に目覚めたら更新されてて嬉しいサプライズです♪藤ヶ谷さん、ついに北山姫を助けるべくナイトとして立ち上がりましたねー!もう一度ナイトとして北山さんを助けてるんですけど。オノレの嫉妬心や迷いに気付かされた北山さん。次どーなるの?!wktk♪(´ε` ) (4月1日 2時) (レス) id: f76eafea05 (このIDを非表示/違反報告)
ももは(プロフ) - 1632さん» 1632さんっ!いつも本当に本当にありがとうございます(^^)嬉しいです♪ふふふ!姫からナイトにっ!この展開書きたくて書いてました!笑 なので、そう言って頂けて本当に嬉しいです☆長くなり申し訳ありませんが移行後もご覧頂けると嬉しいです♪温かいお言葉感謝です☆* (4月1日 0時) (レス) id: db5af09c34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももは | 作成日時:2019年3月20日 0時

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