会えない数だけⅤ ～Next series～ (ページ44)

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Kentaro.

謙「ハハ、有難う、(笑)」

『やっすー無理』

謙「黙って笑顔振りまいとけ」

女子に群がられて会いたい人になかなか会えなくて

輪の中をかき分けても終わりがなかなか見えない

美勇人なんてAに会えなくて今にも倒れそうだし

『あ、A』

謙「何処？」

『教室居る、俺無理、会ってくる！』

謙「は？え？ちょっと！」

Aの姿を見つけた美勇人はダッシュで輪を抜けて

校内へ向かっていて、俺はそれを追いかけようと必死で

美勇人が作った道をかき分けて凪を探した

謙「ペンキ塗りでもするんですか？」

凪「へ？あ、謙ちゃん」

謙「何でこんなとこ居るんだよ(笑)」

凪「人多すぎて此処なら誰も居なさそうだったから」

謙「此処に居るの分かった俺褒めてほしいわ(笑)」

ベンチに座っていた凪に話しかけると

最初は驚いて目を見開いていたけど、打ち解ければ

いつも通りの凪になって、空いている隣に座った

凪「あ、まだ言えてなかったね
卒業おめでとうございます」

謙「お、有難うございます」

凪「フフッ(笑)謙ちゃん卒業か～」

謙「親みたいなこと言わないでくれる？」

凪「だってついこないだ会ったばかりなのに
もう卒業だよ？この1年早かったな～」

謙「そっか、俺たちまだ会って1年経ってないのか」

凪「何年も前から知り合いな感じ」

謙「俺も同じこと思ってた」

目を合わせて笑い合う

後輩なんて思わせない少し大人びた凪

けどやっぱり笑うと子供っぽいところもあって

凪「私、謙ちゃん最初好きじゃなかったな～
目つき悪いし全然話さないし顔怖いし」

謙「何だよそれ(笑)」

凪「やっと此処で笑った顔見せてくれて
この人意外と子供っぽいところあるんだな～、って
思って分からないけどその無邪気さに心惹かれた(笑)」

多分何を話していいかまとまってないから

よく分からない内容

でも俺も俺で凪に思っていた部分はあって

多分凪だから、凪だったから

初めてこんなに素を見せれる人が

紛れも無く凪だったから

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