会えない数だけⅤ ～Next series～ (ページ34)

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Kentaro.

始業式が終わった日から、俺と悠人は毎日その子のことを

しつこいくらい聞かされていて

『マジでA可愛いの！
俺の後ろ乗る度に " いい匂い～ " って！』

悠「今日6回目、いい加減飽きた」

『はぁ？！なんで！』

ちゃんと見たこともないし会ったこともない子のことを

何故か永遠と聞かされてる俺たちは、半ば諦めで

右から左へと流しながら聞いていた

謙「ちょ、俺トイレ」

『俺も行く～』

悠「じゃ、俺も」

謙「女子か(笑)」

美勇人の話が飽きてトイレに逃げ込もうとしたら

案の定2人も着いてきて、廊下を出れば悲鳴の連続

『あ～、ハハ～』

悠「アイドルしっかりしろよ」

『無理、こんなのAに見られたら俺生きれない』

謙「お前は規模がでけえんだよ、毎度毎度」

美勇人は結構前から事務所に入っていて

俺はその後を追って遅らせながらも美勇人の背中を追った

歴は違うから確実に美勇人の方が人気

俺にも声を掛けてくれる女子生徒はいるけど

美勇人とは何倍も違う

そんな彼奴はどうでもよく、苦笑いでスルーする

『あーあ、あれがAだったらな～』

悠「夢見すぎな」

『いいじゃんか』

そんなことを言いながらトイレに向かう途中

赤色の上履きを履く女子生徒が2人

3年女子の鋭い視線を浴びながら俺らの方へ

恐る恐る近づいてくる

『あ！A！』

「「え、、？」」

「あ、美勇人先輩いた～」

『もう俺今すっげえ会いたかったの！』

「うわっ、先輩皆んな見てる、、」

『いいのいいの～俺のAだからね！』

周りなんて気にせず、美勇人はAちゃんって子を

なんと大胆に抱きついて、彼女も彼女で満更でもなく

頬を赤くしちゃって

悠「美勇人、その子がAちゃん？」

『あ、そうそう！俺のA！』

謙「付き合ってねえのに言うな」

『まあまあ、って、あ！この子が凪ちゃん？』

「そう！」

凪「Aの友達の凪です！」

『Aのこと宜しくね！』

凪「任せて下さい！」

『へへ、頼もしいや～(笑)』

彼女が美勇人と話している姿を見て何故か心惹かれた

なんて言うんだろう、見た目そのもの

少しギャルだけどしっかりしてそう

『無いと思ったんだよ～』

「早弁出来ないですもんね～」

『ほんとそれ！ありがとな！
じゃあまた帰り迎えに行くから待っててな』

「はい、待ってます」

美勇人が手を振って別れる時、彼女と数秒目があった

謙「凪ちゃん、か」

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