会えない数だけⅤ ～Next series～ (ページ32)

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「利音が男前すぎて」

「安井先輩に怒られるよ、凪」

凪「謙ちゃんは知らない(笑)」

謙「凪何か言ったか～？！」

凪「いやー、何も～！」

「ほら、バレた」

女子会をしたあの日から

利音と瑠璃が頻繁に連絡を取るようになって

利音の口から " 愛してる " とか

瑠璃の口から " 大好き " とか

照れ屋な2人がその言葉を伝える姿を想像して

電話口でニヤニヤしてしまう

「男前、か」

『ん？何か言った？』

「んー？何にもないよ～」

そういや、彼に " 男前 " そんな言葉が似合う日はあったのか

考えれば考えるほど、見つからない

『さっき電話してたの凪ちゃん？』

「そうだよ」

カウンターにいた私にソファに座っていた彼は立ち上がって

私の隣に座ってきた

『利音と瑠璃のこと？』

「まあ、それが？」

『いや、顕嵐に2人が連絡取ってたらしくて
その時に2人が送ってきた内容が同じでね』

「何それ、気になる」

彼はスマホを取り出し、カメラロールから

スクショしたものを私に見せる

なんて初々しいんだろう

こんなこと、私達にはあった？

「離れれば離れるほど好きって溢れちゃうね、、」

『ねえ、やばくない？！』

「やばいもなにも、、」

「『、、男前ってやつ？』」

「やっぱり思った？」

『思うも何も、ね？』

「や、でも男前の人ってこれ本人に伝えるか
それじゃあ男前とは言わないか」

『え、そうなの？』

「だって顕嵐くんに伝えてもどうしようもなくない？」

『あ、確かに』

でも、このラインをしてから瑠璃に連絡したってことは

伝える強い意思があったからだよね

「愛してる、か、、」

『嘘、今の俺に言った？』

「、、へ？」

『愛してる、って言ったよね？！』

「あぁ、利音が瑠璃に伝えたんだって
男前すぎて私泣きそうだったわ～」

『なんだよ、俺に言ってくれたんじゃないのか』

「言う立場の人間が女に言わせようとすんな」

喉が渇いてキッチンへ駈け込めば

息子同様、カウンターから身を乗り出してきて

「何」

『や、愛してるよ～、って(笑)』

「、、最後の笑いマジ台無し」

『なんでよ！』

「はぁ、、」

彼が言葉相応になるのはいつだろう

まあ、プロポーズの時くらいか

「ストレートに愛してるって言えばいいだけじゃん」

『それが出来たら苦労してないって～』

「だからヘタレって言われるんだよ」

『A酷い』

彼はヘタレくらいが丁度いいか

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