会えない数だけⅤ ～Next series～ (ページ25)

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Myuto.

利音の進路面談であったことを一部始終話してもらった

やっぱり子供のことになると熱くなる彼女

まさか先生にまでああなるとは思わなかった

『でも利音が美容師なんて正直吃驚だわ』

「ファッションとかそういうのには敏感だから分かるけど
失敗したら先が見えないからさ、、」

彼女が顕嵐とコンテストに出た時、

最優秀賞を取れなかったこと、まだ忘れられていない

運良く魁さんの知り合いに目が止まって留学が出来たけど

今はどうなるか分からない

彼女もそれなりの苦労はして来たけど、利音と彼女は

またわけが違う

『でも利音だよ？利音が努力家なのは誰よりもAが
分かってるのは自分でも分かるでしょ？』

「分かるよ、それは分かってる。
でも私怖いんだよ、利音が失敗するところ見るの」

『A、、』

幼稚園からずっとサッカーをやって来た利音

ズバ抜けて上手くて、中学で都選抜にも選ばれた

そこでもレギュラーでトントン拍子だったのに

大きな怪我をしてスタメンは外されて

高校も強豪校から声が掛かってたけどそのせいで取り消し

泣く泣く勉強して今の高校へ行った

何度も利音のどんよりとした、魂の抜けたような

後ろ姿を見て来た彼女は誰よりも利音を心配している

「もう利音に無理はして欲しくないの」

『そうだけどでもね？A。
利音、やっと自分のやりたいこと見つけられたじゃん。
サッカー以外で初めてやりたいこと見つけてさ？
俺心配より凄い嬉しいの、しかもAと同じ職で』

「そりゃ私だって少なくともそうは思ってるけど、、」

『此処で利音の将来俺らが潰す方が駄目じゃない？
自分がやってた職に就かせるのは不安だよ、俺だって
2人が俺と同じような職に就きたいって言ったら不安だし
寧ろ止めてた、それこそ将来見えないし』

「でも美勇人は頑張ってるじゃん、私たちのために。
しかも高校の時からやってるからずっと夢追いかけてるし」

『それと一緒、利音も俺と同じだよ』

少なくとも何よりも不安定な職は俺だ

いつ解雇されてもおかしくない

此処まで続けられているのは彼女が支えてくれているから

それがなかったら今頃辞めてたかもしれない

『美勇人の夢は私の夢、いつかそう言ってくれたよね？』

「うん」

『それと一緒、利音の夢は俺らの夢』

一緒に、追いかけよう

サポートしてやろう

「そうだね(笑)」

いつどん底に突き落とされても利音なら大丈夫だから

彼女の子供なんだから、

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