会えない数だけⅤ ～Next series～ (ページ18)

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Myuto.

「Aちゃん、年取る度に綺麗になってくな」

父さんと縁側に座ってビールを飲みながら話す

いつぶりだろう、2人並んで話すなんて

『狡いよな、どんどん好きになってくわ』

父「お前は本当にゾッコンだな(笑)」

『当たり前じゃん(笑)』

後ろのリビングにはソファで仲良く寝ている子供達

彼女と母さんはキッチンで仲良く話している

父「まさかこんなに楽しそうな家庭になるなんて
お世辞にもなるとは思わなかった」

『俺もそう思ってた』

父「仕事は順調か？」

『まあ、ぼちぼちってところかな』

父「、、そうか」

幼少期から事務所に入って、全然芽が出なくて

初めてLove-tuneでグループを組ませてもらって

それでもなかなか辿り着けないデビューという壁

『芸能界ってさ、先が見えないから怖いよね』

父「何を今更」

『子供達が俺の背中見て育ってると思うと
情けない父親だな～、ってさ』

父「それはそれでいいんじゃないか？
父親の背中なんて、人それぞれだろ。
確かに美勇人の仕事は安定しないし、先は見えない。
けど、好きなことを仕事にして頑張っている姿を見れば
誰だってかっこいいと思うんだよ」

初めて父さんが俺の仕事に対して話をしてくれた

『もっと養えればな』

父「あんなに大きい家に住んでんだから今の状態を崩さなきゃ
お前は大丈夫だよ」

『その言葉あんまり信じられねえ(笑)』

父「失敗した時はその時だな、そっから先はまた
自分で試行錯誤の上で行動しろ」

『ま、自分が出来ることをやるよ』

そう言うと父さんは立ち上がり、

" トイレ行ってくる "

縁側は俺1人になった

去り際に言った一言が俺には突き刺さった

" 良いも悪いもお前の代わりは誰も務まらないからな "

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