会えない数だけⅤ ～Next series～ (ページ14)

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鈴「ママこれ美味しいね！」

「鈴音砂糖付いてる」

海を出て彼の運転でショッピングモールに来た

お腹空いたとうるさい彼等を連れて

私が昔小腹が空いたら食べていたマラサダを

3人にも食べて欲しくてお勧めの店を訪れた

利「砂糖甘過ぎ」

『利音甘いのダメだっけ？』

利「普段の砂糖より甘い気がする」

「お～流石息子、少し甘いよね」

『全然分かんねえ』

鈴「パパ、鈴音も分かんない」

バカ舌2人はとにかく口に入れようと必死で

口の周りは何処もかしこも砂糖だらけ

2人におしぼりを渡せば、鈴音は口紅でそれを赤くするし

彼に至ってはそれで顔を拭き始めて、手に負えない

利「これからどうするの？」

「どうしよっか、せっかくショッピングモール来たし
買い物でもしよっか」

鈴「やったー！鈴音ね、ずっと欲しかった下着があるの！」

『し、？！下着？！』

「ちょっと声デカイんだけど」

利「俺も見たいところある」

「じゃあ順番に見て行こうね」

食べ終わったものを捨てて店を出る

右も左も観光客でいっぱい、日本にいる時と変わらない

「ちょっと鈴音走らないで」

鈴「え～、じゃあはい！利音！」

利「は？何？」

鈴「手！手繋ごう！」

利「やだ、無理、仮にも彼女いるんだけど」

鈴「今日くらいいいでしょ！」

『利音、今日は許してあげて(笑)』

珍しく鈴音が利音にべったりで

嫌々ながらも手を繋ぐ利音は満更でもなさそう

「逸れないでね」

「「はーい」」

子供達が私たちの前を歩きながら

笑って会話しているところを見て私達もほっこり

「久し振りに見たね、2人が仲よさそうに歩いてるの」

『ハワイマジックってやつ？』

そう言って彼の右手が私の左手を取って歩き出した

「何、この手」

『え、ハワイマジック。今日くらいいいじゃん！』

「何歳だよ、本当にさ」

『永遠の18歳♡』

「気持ち悪い」

そう言いながらも彼の手を握って歩く私も

利音と同様、満更でもない

利音と鈴音が前で楽しそうに話している姿をジッと見て

私達もその後を追って歩き出した

鈴「ねえ、後ろ見て」

利「此処で手繋ぐかよ」

鈴「2人ってさ、何か可愛いよね」

利「どうせパパからだよ」

鈴「一方通行の恋だね、パパどんまい」

利「でもママも満更でもなさそう」

鈴「何か2人にお揃い買おうよ」

利「そうだな、たまには」

こんな会話を2人がしているとは

誰も知らなかった

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