会えない数だけ (ページ38)

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学校の終わりがてらカフェで

レモネードとマラサダをテイクアウトして

コテージの目の前にある海へ足を運んだ

「いただきます」

木の陰にビーチタオルを敷いてブレイクタイム

食べながら飲みながらスマホをいじりながら

海で遊んでいる子供達を眺めると突然鳴った着信音

「もしもし？」

「A連絡行ってる？」

「えっ？」

スマホを見れば見慣れた表示の名前に

通話ボタンを押すと焦ったように話す凪

凪「美勇人先輩、ハワイ着いたって」

「へ？そんな嘘だって(笑)」

凪「謙ちゃん、言ってた」

一息ついて "謙ちゃんが " って言ったから

あぁ、安井先輩が言うってことは本当なんだ

凪「A？」

「ん？」

凪「会いたいでしょ？」

" 会いたい "

稜くんと話した時の流れ星には確かにお願いをした

" 会いたいです " と

だけど本当に会いたいか、と聞かれるとまだ分からない

凪「そんな冷静ってことは分からないか」

苦笑いで話す凪を想像すると何故か心が痛くなった

「、、、ごめん」

凪「そんな謝らせるために電話してない(笑)
突然すぎたよね、電話も到着も」

「忙しいのにね、何やってんだろ」

凪「もし、もし会えたら、ちゃんと話して？
これは私と謙ちゃんからのお願い」

私達のことでこんなにも想ってくれてるのは

どこを探してもこの2人しかいないと思う

" 分かった " そう言って電話を切り

広げていたものを片してコテージに戻ろうとした

「うわっ！」

前をちゃんと見てなかったのか人にぶつかってしまった

「ごめんなさ、、、

美勇人」

『A、、、』

何処かであった光景で

2人の間に生暖かい潮風が

強く吹いた

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