煙草の味がした (ページ44)

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Hikaru.

「眠いの？」

『疲れてんだよ』

" そっかぁ～ "

ソファーに座ってスマホを弄る

1ヶ月振りに家に瑠夏が来た

というより、押しかけて来た

瑠「Aちゃん、大丈夫かね？」

『っ、』

瑠「また突然だったね。まぁ、女の子だもん。
普通の生活したいって思うよね～」

" 瑠夏だったらそのまま辞めちゃうかも "

ケタケタと笑いながら
そう言った瑠夏に腹が立って

スマホを弄るのをやめた

『お前何言ってんの？』

瑠「え？(笑)」

『お前にAの何が分かんだよ。
全部、全部お前のせいでこうなってんだよ」

瑠「はぁ？笑わせないでよ。あの子がこうしたんじゃない。
誰も辞めろとは言ってないんだし(笑)」

『俺達が言ってもねえこと吹きかけて傷つけて。
お前Aに何がしたいわけ？』

瑠「あんたねぇ、6年前のこと覚えてないの？」

" 忘れたとは言わせないよ "

悪魔の様な微笑みで俺を見る瑠夏

『忘れてねえよ。忘れるわけねえだろ』

瑠「だからじゃない。あの子、本当に純粋。
大丈夫？ってくらい純粋で見ててイライラすんの。
だから嘘言ったら普通に信じてさ(笑)」

『てめぇ、』

あの時、俺がもっと
冷静で大人だったら

今誰も傷付かなくて済んだのに

瑠「ま、そういうことだから。今日は帰るね～」

荷物を纏めてそそくさと
家を出て行った瑠夏

いつまでも何もできない自分が
情けなくて、苛立つ

会話をしなくてもいるだけで
姿を見るだけで安心するのに

1ヶ月顔を合わせないだけで
俺の心には大きな穴ができて

それだけ自分のやってることが
最低だってことに

離れて気づくなんて

『A、』

誰よりも馬鹿だ

.