煙草の味がした (ページ12)

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別に気にしなければ
いいだけなのに

私には関係ないのに

「はぁ、、」

逃げた先は事務所の外階段

騒がしい車の音と
沢山の人だかり

皆んな働いてるんだなぁ、と
煙草の煙を吐いてそう思う

「Aちゃーん」

「、、ん、ラウ」

何故かラウがやって来て
咄嗟に煙草を隠したが、

ラ「今更いいよ(笑)」

「でも、」

ラ「嫌な時くらい吸いなよ(笑)」

そう言って私の隣に来たラウは
子供のように見えてやっぱり大人だ

この世界に入って思う

幾ら未成年であろうと、
子供の様な考えを持っていても

自然と大人の考え方になって
少しだけ人生損した気分になるということ

ラ「めめと喧嘩したの？」

「違うよ。寧ろ心配してくれた」

ラ「なんだ、喧嘩じゃなかったんだ。よかった～」

「ごめんね」

ラ「俺は全然大丈夫(笑)」

最年少に心配されて
何やってんだと思う反面、

もしかしたら誰かが来てくれるのでは、と
少しばかり期待していた自分がいた

「なんかさ、たまに辞めたくなるんだよね。何もかも」

ラ「Aちゃんが？」

「うん」

ラ「どんな時？」

「んー、明確なのはない。なんかね、もうやだー！とか
辞めて楽になりたいー！とか場面場面であるの」

ラ「それで煙草に逃げちゃうと(笑)」

「大人を揶揄わないの(笑)」

" そんな変わらないでしょ "

と、笑うラウに
そうだね、と返したいところ

けどね、私が今まで見てきた背中は
そうだね、の一言で終わらなかったの

ずっとずっと、子供扱いなの

「年下ってさ、キツいよね」

ふとした時に感じる年齢差

それを誰よりも知っているのは
ラウしかいないと思っているから

たまに君に寄り掛かりたくなるんだ

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