シロツメクサの花冠 (ページ44)

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Juri.

『いちごみるくか～』

樹「奢ってもらってんだから感謝しろよ(笑)」

屋上に行って座れば、丁度チャイムが鳴った

久し振りにサボって、なんか変な気分

最近慎太郎の様子がおかしいのは皆んな分かっていた

後夜祭は全員一緒にいなかったから

何があったのかは知らないけど、

Aとのことで悩んでいるのは間違いない

樹「で？Aと何があった？」

『誰もAって言ってないんだけど(笑)』

樹「どう見てもAのことだろ(笑)
てか隠しても無駄、皆んな分かってっから」

" うっぜ(笑) "

なんて笑って言う慎太郎

『後夜祭、キスした。終わり』

樹「や、え、はぁ？！マジィ？！！？！！」

『うるせえよ、ここで嘘つかねえよ』

樹「や、マジか、ぶっ込んで来たな」

『まあでも口じゃなくておでこだけどな』

樹「おでこでも進展早過ぎだろ」

そのままあったことをバーッと話してくれた

ようやく気持ちが通じあったんだと思った

『けどあれから何の進展もなし。
好きとか付き合ってとか一切伝えてないし、
A相変わらず馬鹿やってんじゃん？
だからもう忘れてんのかな～って。
なんか俺だけ真剣に考えて馬鹿じゃね？みたいな』

樹「それでいつも怠そうに」

『まあ俺がAのこと好きなのに変わりはないし、
この先も嫌いになるつもりはない。
ただ、Aの気持ちを一切知らないまま
あんなことしたのは申し訳ないと思ってるし、
寧ろあの時どう思っていたのか気になる』

樹「あーね」

俺はAが慎太郎に対して恋心を抱いているのを

中学生の時から知っているから正直言いたい

Aは慎太郎のことがずっと好きだった、って

だけど今それを伝えてどうなるか、と聞かれたら分からない

樹「けど変わらず登下校も一緒にしてるし、
いつも通り会話もしてるんだから平気っしょ。
そんなに気になるならAに聞いてみれば？」

『そんな簡単に聞けるか？』

樹「じゃあ俺が聞く？なんなら北斗とか」

『んー、考えとく』

樹「考えとくって(笑)」

いちごみるくを一気に飲み干した慎太郎は

それを握り締めて空を見上げてこう言った

『恋とか愛とか分かんねえ！』

樹「はっ(笑)そんなもん俺もだわ(笑)」

『けど、Aとなら分かる気がする』

なんて、おちゃらけてる慎太郎の口から

そんな言葉を聞いたら、カッコよく思えた

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