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『そういやこれ、なんだよ(笑)』

「あっ、これもまだあったんだ」

何かを思い出したらしく、棚の引き出しを開けて

私に見せてきたもの、置き手紙

『ほんとさ、俺これ見てマジで焦った。
荷物は何も無いし、ただこれだけ置かれてさ』

「へへっ(笑)まあ突然だったからね」

『他の女連れ込むなよ、ってさ(笑)
俺が入れると思うか？』

「や、忠告だから、忠告！」

『入れるわけねえだろ、馬鹿』

「あたっ、」

軽くグーで頭を突かれた

そんなの分かってる、分かってた

彼が違う女の人を連れ込むようなダメ男じゃないのは

私が一番分かってる

でも、怖かった

「いつ帰ってくるか分からないから。
待つのに飽きて、いつの間にか違う人と付き合って、って
そんなことあっちゃいけないって思ってたけど、
怖かったの、ずっと、ずーっと」

『はぁ、、』

私の顔を見て飽きれたように溜息をつく

『遠距離、って言ったのお前だろ？
会えなくたって想いが一緒なら幾らでも待てるわ』

思ってもなかった言葉が返ってきて

不安が一気になくなった

「はぁ～、大好き」

『何、アメリカ行ってからやけに素直だけど』

「昔からこうですけど？」

『よく言うわ(笑)』

こうやって笑いあえる日がまた来るなんて思ってなかった

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