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「何も変わってないね」

『まあ住んでるだけだからな』

何故か分からないけど、彼に会いたくなって

彼の家に行きたくなって、来てしまった

あれから私が黙って家を出てから今日まで

本当に何も変わりなく、ただ彼の匂いがする家

「うわっ、恥ずかしい」

『いいじゃん、俺傑作の髪型だし』

「これ皆んなに弄られたんだからね？」

『似合ってたんだけどな(笑)』

テレビボードには変わらず写真立てもあって

そこには私と卒業式に家で撮ったスーツと制服の写真

ちょっと不機嫌な私と満足げにドヤ顔している2人

これがもう3年前と思うと、時が経つのは早い

『はい』

「ありがとう。まだこのコップあったんだね」

『まあ一応な』

私が写真をじっくり見てる時に、ココアを淹れてくれ、

そのまま2人でソファに腰掛ける

『今日仕事休み？』

「午前だけあったの。
だけど最近は落ち着いてきてるから、アメリカにいる
私の秘書に少しだけ仕事を任せてる」

『そっか、じゃあやっと自分の時間作れたんだ』

「うん」

久し振りにこうやって話すことが出来て

けど話す内容が昔と全然違くて

大人になったと実感した

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