境界線Ⅱ (ページ6)

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Hokuto.

「えー、怪我に注意して夏休みも、、」

長ったらしい校長の話をむさ苦しい体育館で

生徒の様子を伺いながら聞く

こんな話しても、誰一人ルールを守らない

こんなもののために無駄な時間を過ごした

後ろから見れば、寝るか友達と話すかスマホか

言っても直らないことくらい分かってるから

誰一人注意しない、本当に無駄な時間だ

「今日さ、飲み行こうよ」

『何時終わり？』

「3時終わりだっかな」

『じゃ、樹達にも声掛けとくわ』

コソコソと話し掛けてくるジェシーを横目に

目の前の列をジッとみていると、突然立ち上がる生徒

鼻をつまんでこちらに向かって来る生徒も付き添いの生徒も

静かな空気の中、ゲラゲラ笑って

「先生、A暑くて鼻血出てんの！」

ジ「優奈、うるさい～！
北斗連れてって！」

『え、俺？』

優「先生仮にも保険の先生でしょ」

『わーった、わーった』

白衣に入っていたポケットティッシュを彼女に渡して

体育館を後にする

『クラクラするか？』

「だいじょぶでーす」

ティッシュを当てて下を向く彼女の表情は分からない

ただ、その会話を皮切りに空気は重かった

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