境界線Ⅱ (ページ39)

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Hokuto.

『え、僕もですか？』

辰「色々と話したいこと沢山あって」

『はぁ、、』

彼女がお兄ちゃんを見せたいと言うからついて行ったら

まさかのお誘いが入った

断れることなく、そのまま荷物を持って車に乗った

辰「A、少し松村さんとお話ししたいから
カウンターでケーキ食べててくれる？」

「えー、お兄ちゃんと話したいー」

辰「後でいっぱい話すから、ね？」

「うーん、分かった」

お兄さんは彼女に千円札を渡してまた俺に向き合った

辰「すいません、騒がしくて」

『学校であんな感じなんで』

辰「家でもですよね？」

『家、とは？』

辰「A、松村さんのお宅に居ますよね？」

『や、まあ、はい、、』

辰「やっぱり、、(笑)」

お兄さんは安心したように水を一気飲みした

辰「Aから一部始終はお聞きしました？」

『たんまりと聞かされました(笑)』

辰「彼奴、思いついたら直ぐ行動に移すんで
誰も止められないこととか多くて、昔から」

『僕も吃驚しました、身の程知らずのクソ親が！
なんて彼女の口から出てくるなんて思わなくて(笑)』

辰「良い子なんですけどね、親に対する態度は
政略結婚が決まってから一変しちゃって」

" まあ、親が全部悪いってわけじゃないけど "

そう言って美味しそうにケーキを頬張る彼女を見る目は

凄く優しくて、暖かい眼差しだった

辰「AもAで苦労してるんです
照のこと大好きだけど、また違う好きだし
幼馴染だからこそ、二人共辛いんでしょうね」

『けど、僕には何も出来ることありませんよ？
もう半年も無いこの期間で一緒に過ごせることしか
僕には出来ることがないです』

辰「そこをなんとか、、！
彼奴の側にいてやってください！！」

『ちょ、お兄さん顔上げてください！』

立ち上がり、深々と俺にお辞儀をするお兄さん

妹をこんなに可愛がるなんて彼女はなんて幸せなんだろう

自分のことより妹のこと、妹には幸せになってもらいたい

そんな一心で俺に話してくれるなんて

辰「Aを幸せに出来るのは松村さんしかいないんです」

『や、僕は何も、、』

辰「最初で最後の恋、松村さんでは始まって松村さんで
終わらせてあげたいんです」

『、、お兄さん』

「ん？どうしたの？二人共！」

辰「Aには関係無い話」

「えー、私も知りたい！」

辰「いいの、ケーキ食べた？」

「食べた！美味しかったよ！」

俺、側にいたい

お兄さんの気持ちにも応えたい

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