境界線Ⅱ (ページ38)

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Hokuto.

「もう合わせる顔ないし、、(笑)」

風呂から上がってバスタオルで頭を拭きながら

リビングに戻ろうとするの彼女が誰かと電話していた

「うん、明日学校終わったら迎えにきて！
一緒にケーキ食べに行こう！」

" じゃあね "

最後にそう告げて電話を切った

『お前声デカすぎ』

「聞こえてた？」

『内容は知らねえけどな』

「お兄ちゃん、帰って来て私の部屋に用があったから
入ったら荷物なくて慌てて掛けてきた(笑)」

『ふーん、で？お兄さんなんて？』

「父さん達には照の家にいるって伝えておくから、って
あと、地味に心配してるから早く帰ってこい～って」

『なんだ、親心配してんじゃん』

そう言うと顔をしかめる彼女

「心配してたら今頃探してるって
殴っといて心配してるとかたまったもんじゃないよ」

『まあAが会いたくないって言うなら
別に俺は何も言わないけどさ』

「明日お兄ちゃんと放課後会ってくるから帰るの遅くなる」

『分かった、程々にな』

「ケーキ買ってくるね！」

『俺が甘いのそんなに好きじゃないの知ってんだろ
嫌がらせか？あ？』

「お礼です、お礼」

キッチンで水を飲みながら彼女と会話していた

ソファから身を乗り出して楽しそうに話す彼女

内容は別にいい話じゃない

俺誘拐してるようなもんじゃん？

でも少しでもそうやって楽しそうに過ごしてくれるのなら

なんでもいいや

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