境界線Ⅱ (ページ4)

今日:13 hit、昨日:5 hit、合計:185,927 hit

054 ページ4

Hikaru.

照「ただいま」

母「あら、おかえり
今日は早かったのね」

照「まあ」

最近俺は家に居るのが嫌いだ

それに、人が居る家も嫌いだ

母「今日、Aちゃんの家族とお食事会だから
早く着替えて来なさい」

照「は？」

母「お父さんとAちゃんパパが
久し振りに皆んなで集まろう、って」

照「俺パス」

母「どうして？」

照「どうしても」

それだけ言ってリビングを後にすると

声を荒げる母親

母「最近何なの？
お母さん黙ってたけど、態度は悪いし
聞いてもそっぽ向いてばっかりで
何が嫌なの？言ってみなさいよ！」

照「言ったらやめてくれんの？」

母「いいわよ、、」

少しだけ弱腰で俺に言う母親は

絶対とは言い切れない表情だった

照「婚約破棄させろよ」

ほら、その顔

いいの見せてくれんじゃん

照「何で黙んの？
言えって言うから言ったし、やめさせてくれるって
言うから言ったんだけど
何？今更嘘？ふざけんなよ」

母「照、、」

そうやって直ぐ怯えて

「照、何を言ってるんだ」

照「は？んだよ、父さん」

2階から降りて来た父親

きっとリビングの騒ぎを聞いて来たんだろう

父「何が婚約破棄だ」

照「言葉の通りだろ」

父「白紙に戻すことなんて出来ない」

照「母さん言ってた
嫌なことあるなら言えって、だから言った」

父「それはもう無理だ」

照「ふざけんじゃねえよ」

父「は？」

照「毎日仕事仕事、仕事に明け暮れて
家のことなんてちっともやらねえ
そんな奴父親とも思いたくねえ」

父「照、、！」

俺が暴言を吐いた瞬間、父親の手が俺の頬に

振りかぶりそうだった

ただ、それを振りかぶることはなかった

「お父さんやめて！」

父「澪、、」

澪「お兄ちゃん叩いたらダメ！
お兄ちゃん泣いちゃうから、ダメ、、！」

それを阻止してくれたのは中学2年生の澪だった

父「今日の食事会、お前は出るな」

照「言われなくても出ねえから
これだけ言わせてもらう
俺とAの人生を、親達でめちゃくちゃにすんな」

それだけ言って澪をおぶって部屋を出た

照「澪、ありがとな」

澪「お兄ちゃん大丈夫？」

照「俺は大丈夫
澪は？苦しいところない？」

澪「ないよ！お兄ちゃんにおんぶしてもらったら
そんなの吹っ飛んじゃった！」

照「そっか(笑)
そしたら毎日やらなきゃな～」

澪「やった！」

病気を持った澪だけは

辛い思いをさせたくない

.