境界線Ⅱ (ページ23)

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Yuta.

『お前ら夜だから騒ぐなよ』

ジ「A～！何処だ～！」

「Aちゃ～ん！慎ちゃんが探してるよ～！」

『だから煩いんだけど』

広場から出てダラダラ歩いていると聞き慣れた声

6人組の男がいる集団の中に見覚えのある2人

英語教師のジェシーと保健室兼Aの彼氏、松村

神「タイミングってもんがあんだろ、、」

慎ちゃんって奴が叫びながら他の奴らも叫んで

いい大人が何やってんだと思いながら

気づかれないように黙って下を向いてその場を去る

ジ「あれ？神宮寺じゃね？！」

『こんな時間にいるわけねえだろ』

ジ「や、あれ神宮寺だから！
おーい！神宮寺！！！」

神「、、」

酔っ払ったジェシーが俺に向かって叫び

他の奴らも俺を見て手を振る

こんな時間に騒ぎを立てられたら困るから

軽くお辞儀だけしてその場を去ろうとしたけど

そんなことは簡単にさせてくれなかった

『お前、Aと居ただろ』

神「、、は？」

『やべ、』

神「Aって深澤Aですか?」

『や、何でもねえ』

俺の腕を掴んでジッと見つめてくる松村

その視線から逃げさせてくれることはない

神「何で俺に聞くんすか？」

『彼奴の匂い、したから』

神「俺からは違う匂いがしましたけどね」

『は？』

神「男の匂い、先生と同じ匂いしましたけど」

そう言うと少しだけ目を大きくして

ゆっくりと掴んだ腕を離す

『何処、居るんだ、、』

神「それは自分で探して下さい
じゃあ俺、急いでるんで」

そう言って逃げる様にその場を去った

遠くからジェシー達が手を振って何か言っていて

少し振り返れば松村は1人、走って彼女を探しに行った

場所を言わなかったわけ

別に言ってもよかった

けど言いたくなかった

神「何嫉妬してんだか(笑)」

多分俺、松村に嫉妬してる

付き合ってるって分かって、相手が松村で

それが紛れもなく教師で

そんな奴に負けたのが悔しかったらしくて

多分俺

神「好き、なわけねえよな」

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