境界線Ⅱ (ページ2)

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Hokuto.

「失礼しまーす」

『はーい、此処座って』

「先生、やけに暇そうですね」

『何だ、優奈ちゃんか』

「Aじゃなくてすいませんね」

4限が始まって直ぐに彼女の友達が保健室に来た

まあ彼女の友達だから、体調崩したりして来ないのは

重々承知

『何しに来たの？』

優「ジェシーの授業つまんないし、A居ないから
逃げで此処に来ちゃいました～(笑)」

『あのな、此処休憩室じゃねえから(笑)』

優「まあまあ、話くらい聞いてあげますよ」

『ほんと上からだな』

まあまあ、と宥められて質問が始まった

優「先生さ、Aとまだ連絡取ったないですよね？」

『ご想像にお任せします』

優「まあ取ってないってのは確かだからいいんだけど
いつ連絡するんですか？早くしてほしい」

『は？え、何それ』

優「だって遠回りで聞かれるより淡々と聞いた方が
お互い win win じゃない？」

『何が win win だよ』

優「だって、ほら」

保健室の窓から見える屋上

そこにはいつだか見た2人の光景があって

呑気に話している姿が見えた

優「先生と話せないから、あの子最近あんな感じ
授業出ないで神宮寺くんと屋上いるしさ、
私より神宮寺くんと過ごす時間多いし」

『だからなんだよ』

優「早くしないと取られちゃうよ？」

『誰に？』

優「神宮寺くんに」

『取られるも何も、婚約決まってっから』

優「A、卒業したら籍入れるんだって
だからお父さんが卒業するまでは自由にしていい、
って言ったらしいよ」

『ふーん』

優「このままだと、自然消滅して
残りの高校生活、全部神宮寺くんに持ってかれるよ？」

チャイムが鳴ってそれだけ言って帰って行った

初めて知った

籍を入れるのが卒業して直ぐに、ということに

まあ、話してもなきゃ知るわけねえよな

『どうすっかな、、』

再度窓を眺めれば、2人は屋上で追いかけっこしていて

久し振りにあんなに笑っている彼女を見たら

もう邪魔出来ないと思ってしまった

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