無知な少女は愛を知る【魔法パロ】 (ページ6)

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4話ページ6

あれから何日たったかわからなかった
ご飯が食べれないことはよくあったから慣れてるけれど走り続けるのには限界があって
追手も来てることがわかる

賑やかな街中の路地とかで身を潜めて過ごす
割れた鋭利なガラスで私は耳の位置特定チップがある所をギリギリと無理やり抉りとった

痛みには慣れてるがやはり痛くて
しばらく置いてればそのうち傷口からバイ菌が入るだろう
抉りとった部分の耳を置いていくわけにもいかず
ポケットに入れた
路地で見つけた汚れた布を頭に巻いて髪の毛を隠した
体は衰弱して捕まるのも目に見えていた

『っはぁ、はぁ、に、さん、』

頭の中では兄さんのことばかり
それだけが支えだった
私を逃がした彼はどんな仕置を受けてるのか考えると体の震えが止まらなかった

〈おい、いたか！〉
〈くっそ、見つからねぇ魔力がねぇから感知できない〉

っは！と前を向けば路地の向こうに奴らの声が響いて聞こえた
息が荒くなり呼吸が上手く出来なくなる
私はよろよろと立ち上がって勢いよく地面を蹴る

走らなきゃ走らなきゃ走らなきゃ
捕まる捕まる捕まる捕まる＿＿＿

『っわぁ！』

｢ん゛っ｣

勢いよく飛び出た先大きな背中にぶつかってしりもちを着いてしまった

『った、あ、す、すみません…！ごめんなさい！』

慌てて立ち上がり頭を下げて相手に謝る
なぜ頭を下げるかは分からないけれど博士の部下の研究社達は怒られる時よくこうしてたのを見てた
私は何どか謝って立ち去ろうとした時

｢待て、お前なぜ俺にぶつかれた｣

地を這うような低い声のお兄さんが私の手を掴みに問いかけた
その意味がわからずにぽかんとする

『っえ、と』

｢俺が感知できないはずが＿＿｣

〈おいそこのおっさん〉

背筋が凍ったように感じた
私の手を掴んだままお兄さんは振り向き追手の人達に顔を向ける私は手を振りほどくことも出来ず思わずお兄さんの後ろに身を隠すような行動をした

｢なんだ｣

〈この辺で白い髪をした女をみなかったか〉

｢ほう、見てないな｣

〈いいや、確かにさっきこの辺りで見たんだいるはずだ少なくともすれ違っただろう〉

｢俺は目が悪くてな白い髪の女は珍しいが目に入らなかったんだろう｣

〈……後ろのガキはなんだ？お前の子供か？〉

お兄さんの服をぎゅっ、と強く掴む
お願いしますお願いします……と
念じるだけ伝わることは無いけれど汗が止まらなくて
フードを被っただけの私はきっとバレてしまう
覚悟を決めた