無知な少女は愛を知る【魔法パロ】 (ページ16)

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14話ページ16

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トランシーバーをベッドの上に置いてとりあえず
クローゼットを開ける
いくつか着れそうなワンピースが入っており
サイズもだいたい合ってる
急いで用意されたのだろう
わざわざ用意してくれたものをそのままにして夕食を頂くのも気が引けて
とりあえず……と
白い清楚な雰囲気の控えめにレースがあしらわれたワンピースを手に取り着替えた

肌触りが良くてこれもきっと高いんだろうな……と
考えれば背筋が自然と伸びた

16……おそらくの自分の年齢
きっとこのくらいの歳の子ならもっと大人っぽくて
もっと字の読み書きも十分にできるのであろう
この世界なら魔法もある程度応用もできる歳

本当に私は何も出来ない、何も知らない、なんて自己嫌悪に陥る
壁にかかってる鏡に映る自分を見る
この姿が嫌いだった

白い髪に薄ピンクの瞳
アルビノの子神の子神話の類
研究所に入った頃はよく言われた気がする
この体さえなければ私はもっと普通に生きてたのかもしれないなんて、

『……普通がなにかもわからない』

鏡に触れてた手がだらん、と下に力なくたれる
胸がズキズキして嫌な気分
ましてや彼女にはまだ言葉に表せない気分だった

無知

できそこない、何も知らないこと

博士によく言われた言葉
そんなくだらない事ばかりが記憶には残ってる

〈無知なのは罪だな〉

〈相変わらず白い髪だな、神の子よ〉

〈ほらAそこに寝ろ〉

〈脱げ〉

『っはぁ、！！！！！』

鏡に映る自分を見つめてればフラッシュバックする嫌な記憶
勢いよく壁を押し、よろけてしりもちをつく

『はぁ、嫌い……いなくなれ、消えろ……いなくなれ……うっ、う、』

強く頭を抱えて蹲り呻く
なんの情報も思い出せない
博士の顔すら、言葉や声ばかり
あの場所での要らないことばかりが記憶に残ってる
重要なことなんてひとつも思い出せない愚図なのに

救いのない記憶が彼女を蝕み苦しめる

このまま消えたらいいのになんて考えて
気持ちを落ち着かせるためにシャワーを浴びに
洗面所の方へよろよろと足を進めた

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