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「……両親と縁を切ったんです。別に悲しくないんですけど…なんだか感情がごちゃごちゃになっちゃって。良い歳して何やってるんだって思うんですけど…」
「……」
「初めてこんなに強く反抗したんです。今日1つ、また決別出来たことに、喜ぶべきだったんですが…」
周りの音は、自然のものしか無い空間。私の声がそれに混ざる。
「…そんな所です。どうでもいい話で時間を取らせてしまって申し訳ございません」
「……なんて言って、縁を切ったんですか」
「…人を救う仕事をしてみます、って」
「それ、最高の親不孝をしましたね。きっと親御さん、鈴鹿さんの事を誇りに思ってますよ」
「……はい…」
また泣いてしまいそうだった。けれど何とか水を引っ込めて、頭を下げる。
「ありがとうございました。伏黒さん、だいぶ心が楽になりました」
「いえ、自分は何も」
「それと、無粋な言葉遣い、本当にすみません。私の語彙では中々伝えることが出来なくって、分かりにくかったと思います」
「…いえ、俺は鈴鹿さんの言葉遣い、好きですよ。物腰が柔らかいのに芯があって」
思わず笑っていた。自然と口角が上がっていた。純粋に嬉しかった。
「…最初にお会い出来た呪術師の方が、伏黒さんで良かったです。あの時も、助けていただきましたし」
「いや、まぁ…実際には鈴鹿さんが呪霊を取り込んで任務が終わったんすけど…」
「でも、1体目の時、伏黒さんが来てくださったじゃないですか。ありがとうございます」
「でも俺、あの後首絞めようとかしてましたし…」
「あはは、そんな事、ありましたね」
私が笑い飛ばせば、伏黒さんも、優しく笑った。すると、「そうだ」と言って言葉を紡がれる。
「俺の事は敬語使わなくていいですよ。年下なんですから、後呼び方も」
「…伏黒君?」
「はい」
2回も助けてくれた伏黒さん、及び伏黒君には、感謝しかない。
「…伏黒君。今日はありがとう。おやすみなさい」
「…おやすみなさい、鈴鹿さん」
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作者 - 紅葉さん» 弐の方にもコメントしてくださっていたんですね!気づくのが遅れてしまってすみません!読んでくださってありがとうございます! (2021年2月24日 22時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 五条先生の創作アルバム怖いですね……最後のセリフで「ヒェッ」ってなりました……。面白いです! 真希さんのツンツン具合がまた好き……続き読んできます (2021年2月22日 8時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ゆうなさん» わっ、本当に申し訳ございません…。修正させていただきました!今後も当作品をよろしくお願いします! (2021年2月6日 23時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな - いつも楽しく読ませて頂いています!あの、22話くらいから、名前変換ができなくなっている気がします。華瑠→華琉になっているからだと思われます!此方の不具合でしたらすみません…これからも応援してます!! (2021年2月6日 11時) (レス) id: 3ecb08afbf (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2021年1月26日 23時