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事を荒立てないよう穏便に話す。苦笑混じりに2人を止めていれば、禪院さんが一言。
「…アンタ、八方美人するタイプだろ」
「はっ、はい?」
「いかにも平和主義。喧嘩になるのが嫌だ。でも自分は絶妙に悪口言われない立場を狙う奴。図星だろ?」
目を見開く。図星だった。あ、私、この人に全部言い当てられた、ってスッキリするほどに。
「……そう思いますか?」
「は?」
「勿論、言い当てられたと言うには、私はそこまで完璧では無いですが」
禪院さんにとっては皮肉だったかもしれない。でも別に構わない。
今度は禪院さんが拍子抜けしていた。なんだコイツって目をしてる。
「…あはは、なんて。すみません、首を突っ込みすぎましたね。呪術師の方々が皆さんあまりにも良い方ばかりで、調子に乗る真似をしてしまいました。気分を害してしまったのであれば…」
「あー、いい。やっぱ八方美人じゃない。言われ慣れてんだろ、アンタ。私みたいに理解した気になってる奴に」
「いえ、禪院さんは的確ですよ。私より」
ニッコリ口角を上げる。妙な空気になってしまって、パンダさんが「…怖えな」と言った。
「え?」と聞き返せば、「いや…」と続けられる。
「……オマエさん。真希の皮肉にこうも返せるなんてどんな精神力してるんだと思ってな」
「…そうよ。Aさんって本当に、なんて言うか……何が出来ないの?」
ちょっと恥ずかしかったけど、「運動かな」と答えて、漸く場が穏やかになった。
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作成日時:2021年1月23日 2時