呪術師達の休日#5 ページ27
虎杖の、祖父を想う淡い表情を見て…私は無意識のうちに目を逸らした
これ以上、あんな醜い感情を持ちたくなかった…その一心で…
「そうだ!ここで俺と爺ちゃんマグロを釣ったんだよ、しましまの!」
「いくら…高菜?」
狗巻先輩の言葉を聞き、虎杖は少し困ったように私に視線を向ける
まだおにぎり語は理解できていない様子だ
『「マグロじゃなくて、イシダイじゃないか」だって』
「あーっ!それだよそれ!!「いしだい」!」
イシダイと言えば有名な高級魚だ
食べたことは無いけれど…普通の鯛と何か大きな違いがあるのだろうか
『こんな都会に近い海でも釣れるんですか?』
「しゃけ …高菜」
先輩は身を乗り出して海を覗き込みながら返す
そして虎杖も、先程と同じく翻訳を急かすように見つめてくる
『…「釣れるには釣れるけど、警戒心が強いから難しい」』
「へぇ〜…よくおにぎりの具2つで理解できんね」
虎杖はそう言いながらも、釣り針に餌を仕込んで海に投げ込む
「すじこ こんぶ!」
『…ですね 日が沈む前に少しだけ挑戦してみましょうか』
私は、既に数時間に及ぶ釣りによる疲労でリタイア
私を除いた2人がチャレンジすることになった
「かかったッ!!」
虎杖が突然叫んでリールを勢いよく回す
竿は異常に反り、岩壁に引っかかったのではないかと疑うほどだ
海から引き上げられたのは…大きいけれど、真っ黒で尖った牙に鋭い眼光で…控えめに言っても薄気味悪い魚だった
「しましまじゃねー…イシダイじゃなかったか…」
『これ何て魚だろ…』
私がスマホを取り出そうとしたその時、狗巻先輩が興奮気味に虎杖の両肩を強く叩いた
「高菜〜ッ!!」
よくやったと言わんばかりに虎杖の肩を掴んだまま前後に物凄い速さで押したり引いたりと歓喜の表情だ
「どどどどどうしたんすかかか?!!」
振動に合わせるように虎杖の声も揺れる
「すじこ、いくら!!」
虎杖は、訳も分からず首を傾げた
『え、ほ、ほんとですか?』
1人置いてけぼりの虎杖は困惑したように両者2人の顔を交互に見る
私はタタッとスマホを軽く操作して調べる
『わ…ほんとだ…!』
私はスマホの画面を虎杖に向けた
大きな真っ黒い魚
虎杖が釣ったのと同じ魚が画面上に映し出されている
その画像の説明には
«イシダイ(成魚)»
「…え?イシダイってシマシマなんじゃねぇの?」
虎杖は画面の文に、疑問の表情をうかべた
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セイ - いやーそう思えて頂いて良かったです もう少しで過去編が終わって一時休載になりますね…またアニメ2期が始まると同時に再開する予定ですので、ぜひぜひロビンさんには楽しみにして下されば幸いです (2021年5月17日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - なんかもう色々しんどい、、!!最後泣いてたのってごじょせん達との思い出が消えたって考察でいいですかね?!しかもミィちゃん、、!!(TT)つらすぎふ、、、 (2021年5月17日 21時) (レス) id: 5a02811cab (このIDを非表示/違反報告)
セイ - いつもありがとうございます!伏線…どうでしょうかねぇ? (2021年4月26日 0時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - 更新おめでしゅ!!今日最初から読み直しました笑最初の方に祖父の件がチラッと出てビックリしました!最初からこの話の伏線を、、、? (2021年4月25日 1時) (レス) id: 5a02811cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セイ | 作成日時:2021年4月24日 2時