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自然の脅威 ページ13

Aがいるのは河原だ

そう察した傑は踵を返して林道に向かって走り出した

「お、おい傑!」

後を追ってくる悟

雨は時間が経つごとに勢いを増し、既に周りの景色が見えないほどの豪雨となっていた

「傑 なんだよいきなり…!」

「Aちゃんが言ってたろう?!折り紙の舟を川に流せるかって!その時悟は何て答えた?!」

雨音で2人の声は掻き消され、僅かに聞こえる程度

苛立ちと焦りで空気は悪い

「何て…?!んなの流れが強くないところ…って…!」

「そうだ!悟がすっ転んだ川より上流にAちゃんはいるはず…!!」

集落の住民によると、この雨で川が増水している…とのことだ

5歳にも満たない少女

増水した水に飲み込まれる可能性もある

「悟、もっと早く走れ!」

「うるせーっ!雨で地面グチャグチャなんだよ!!」

こんな状況であるにも関わらずいつも通りの口喧嘩

その口論によって2人の緊張感は更に増していった



上流に向かって走り続ける

雨に濡れて滑りやすくなった河原で何度も転びかけた

雨は轟々と降り続け、視界は最悪だ

川の色は先日見たものとはまるで違い、汚い泥水と化している

「明らかに水嵩が増してる…!」

「本当にAがいるんだろーな?!最悪俺達が死ぬぞ?!」

悪態をつきながらも傑を追う悟

大粒の雨のせいで目を開けるのも億劫だ

…雨で真っ白な視界の中、薄らと小さな身体が目に入った

固くゴツゴツとした石だらけの河原で力なく横になっている

「Aちゃんッ!」

咄嗟に駆け寄って身体を起こす

生きているのか不安になるほど青白い肌

死人のように冷えきっている

心做しか、Aの顔は苦痛で歪んでいた

…想像していた中で、一番最悪の事態だった

呪霊の影響で限界を迎えたA

加えて冷たい雨で体温は奪われていく

この状態がいつからだったのかは分からない

2人の中にあったのは後悔という文字だけだった

低く唸るような地響きがする

それが段々と爆音のように大きくなってきた

川の水嵩は異常に増してくる

「…ッ鉄砲水だ!!」

「鉄砲水ぅ?!」

豪雨により崖崩れが起きると、塞き止められていた厖大な水が一気に下流へ流れ込む

それは周りの木々を薙ぎ倒し、生き物が飲み込まれると一溜りもない

鉄砲水の恐ろしさを知っている傑はAを抱えて直ぐ様川から離れようと駆け出し、キツい傾斜を容易く登る

鉄砲水の恐ろしさを知らない悟は判断がほんの一瞬遅れた

呪霊の存在→←思い違い



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設定タグ:呪術廻戦 , 呪術 ,   
作品ジャンル:アニメ
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セイ - いやーそう思えて頂いて良かったです もう少しで過去編が終わって一時休載になりますね…またアニメ2期が始まると同時に再開する予定ですので、ぜひぜひロビンさんには楽しみにして下されば幸いです (2021年5月17日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - なんかもう色々しんどい、、!!最後泣いてたのってごじょせん達との思い出が消えたって考察でいいですかね?!しかもミィちゃん、、!!(TT)つらすぎふ、、、 (2021年5月17日 21時) (レス) id: 5a02811cab (このIDを非表示/違反報告)
セイ - いつもありがとうございます!伏線…どうでしょうかねぇ? (2021年4月26日 0時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - 更新おめでしゅ!!今日最初から読み直しました笑最初の方に祖父の件がチラッと出てビックリしました!最初からこの話の伏線を、、、? (2021年4月25日 1時) (レス) id: 5a02811cab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セイ | 作成日時:2021年4月24日 2時

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