呪術廻戦〜貳爪探し〜其ノ二

雷親父 ページ10

警官かスマホの特徴を聞かれ､私は必死に記憶を思い起こす

「えっと…確かグレー…？で､確か…おにぎりのアクキーが…」

「スクラップの先っぽが千切れたやつなら届いてるけどね…」

おにぎりのキーホルダーなんて そうそうないだろうから良い特徴になると思ったのに…

『…あ､そうだ今スマホに電話かけてみます！』

自分のスマホを操作し､先輩のスマホへとコールする

…

「…鳴らないねぇ」

『…ですね』

此処にあるのは確かなのに…

こんな所で時間を潰されたくない

「君ら名前は？」

『…紅莇です』

「麻倉です」

補助監督さんの名前はその時初めて聞いた

…ん？麻倉？

「…ま､今親御さんに電話をかけるから お家の連絡先分かるかい？」

ほんっとなんで五条先生いないんだよ…！

その時､奥の部屋から2人ほどの警官が出てきた

その中に見覚えのある顔が1つあった

「げっ」

私よりも先に補助監督さんが嗚咽するように叫んだ

「あぁ？なんだ伊津実(いづみ)こんな所で何してんだ？…って､あっ？！」

『麻倉刑事！』

忘れている人もいるかもしれない

そう､彼は私に 五条先生を紹介してくれた唯一の人だ

母が死んだ日 私の家に来た時と変わらないヤクザのような角刈りの顔と頭

「お前あん時の…！なんだ元気そうじゃねえか」

そう言って私の頭を強く搔き撫でる

外のパトカーは刑事のだったのか

…ん､補助監督さんの苗字も麻倉って…

「親父…なんでここに…」

補助監督さん…もとい､伊津実さんは本当に嫌そうな顔で顔を顰める

似てないな…

「それにしても 狗巻んとこの坊を捜索してる術師ってお前のことだったのか」

なんだ 知ってたんだ

『はい どうやら此処にその人のスマホがあるみたいで…』

「でも態々学生が駆り出されるような任務でもないだろ」

私はこれまでの経緯を包み隠さず刑事に話した

横にいる伊津実さんは気まずそうに俯いている


…みるみるうちに刑事の顔は怒りで真っ赤に染まっていく

途端､隣に立っていた伊津実さんの脳天をゲンコツで思い切り殴った

「馬鹿かお前ッ？！術師の補助をすんのがお前の仕事だろうが！！自分の役割も全う出来ないんだったらサッサと田舎に帰れッ！！」

「確かに私の責任だけど…！」

涙目で刑事を睨む伊津実さん

「お前より年下のAはこんなにもしっかりしてるのに…恥を知れ恥を！」

…私に振らないでほしい

まぁ…その後 刑事権限で狗巻先輩のスマホを手に入れることは出来たのだった

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