呪術廻戦〜貳爪探し〜其ノ二

格下として ページ34

強い呪力の気配

校内の中で一際大きな寺院から2つの呪力が交差している

此処へ来るまでに､雑魚呪霊を数体祓うことはできた

時折どこか爆発音のような音が聞こえてくる

『あそこか…』

伏黒君が そう簡単にやられるとは思わないけれど､万が一戦闘不能になってしまった場合､京都校の人間を仕留めるのは私だ

…伏黒君との戦闘で憔悴している者を倒すのは容易だろう

けれど私の実力不足だった場合…

…せめて相討ちという形でもいい

何も出来ずにリタイアするのは嫌だ


その時､目の前の寺院の壁が爆音を響かせながら大破した

『…！』

川のように噴き出す水の中に､京都校の加茂と言ったかな､その男の姿があった

そして伏黒君の鵺で追い討ちをかけられるが､更に追い込もうとした鵺は加茂の術式によって解ける

綺麗に着地して､何かを叫んだかと思うと外へ降り立った伏黒君の方へと駆け出す

重いライフルを抱え､スコープで加茂に焦点を合わせた


…次の瞬間

寺院の壁を越えた向こう側で､爆発音が響いた

空気の揺れる感覚

木々や地面が揺れ､森のカラス達がなにごとかと騒いでいる

『な…ッ？！』

大きな樹木が まるで生きているかのように波打っている

明らかな殺意すら感じた

呪霊…？！…いや全く､気配を感じなかった

…つまり､私なんかじゃ気配を悟ることが出来ないほど


"格上"


其方に目を凝らすと､寺院の屋根の上を駆けている人が目に入った

『…ッ狗巻先輩！』

あまりの距離のせいか､先輩は私に気がついていない様子

狗巻先輩が加茂と伏黒君に向かって何かを叫ぶと､2人は一目散に呪霊とは逆の方向に向かって走り出した

…ともかく､五条先生に報告を…！

その時､私の座っていた木が大きく揺れて私は地面に叩き落とされた

地面から這い出した樹木

呪霊に私の存在がバレているということだ

懐から瞬時に普通の小型銃を取り出し､2発撃ち込むが､木の表面には傷1つ入らない

『くっそ…！』

報告する暇も与えないってか

私は咄嗟に立ち上がってその場から離れた

荷物が嵩んで邪魔になるライフルはその場に捨てる

こんな重い物を持って全力で走るのは無理だ

此奴にライフルを使うなんて馬鹿げてる

…伏黒君達と合流しよう

私だけじゃまるで歯が立たない…！

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