呪術廻戦〜貳爪探し〜其ノ二

交差する思い ページ25

〜五条side〜

海外出張用の準備中

僕は自室で向こうに持っていく書類の整理を悠仁に手伝ってもらっていた

え？僕は勿論､砂糖タップリのコーヒーを飲んで優雅に過ごしてるよ

「ねぇ〜…先生も仕事してよ…」

「僕はこの後だ〜いじな仕事があるんだよ それまで休憩しないといけないの」

ズズっとコーヒーを口に運ぶ

悠仁は半ば諦めたように作業を再開する

「…ん 何コレ請求書？」

「あーそれ もう要らないから捨てちゃっていいよ」

そんな会話をしていた時の事


遠くの方から地響きのような音が轟いた

「何…？ 今の音…」

僕の目の前にいた悠仁が困惑したようにカーテンを少し捲って窓の外を覗く

高専内に響き渡った音 それと同時にとてつもない呪力が流れて高専に緊張が走る

「…」

隠すつもりもないような気配

それに この呪力…まさか特級クラスの呪霊が…？

僕は立ち上がり､部屋の扉を開けた

「待って､俺も行くよ！」

悠仁が咄嗟に僕の腕を掴んだ

「ダメだよ 悠仁が生きてるってことは高専関係者の中でも極わずかな人間しか知らない」

「でもッ…！」

尚食い下がろうとする悠仁の唇の前に人差し指を立て､言葉を止める

「大丈夫！このGTG(グレートティーチャーゴジョー)が向かうんだから 大事にはならないよ」

まだ少し不安げな悠仁はグッと唇を噛み､ただ一言

「…分かった」

とだけ言った



部屋を出て､廊下を走る

呪力の源は学生寮だ

時間帯的に生徒がいてもおかしくない

天元様の結界が機能していない…というよりは､まるで呪霊が中から湧いたような…

…今考えても意味は無い

「…飛ぶか」



〜伏黒side〜

両腕で抱えた紅莇

目の前には特級クラスはある呪霊と対峙

分かりやすく詰みだ

「おいッ紅莇 起きろッッ！！」

攻撃を躱しながら大声で呼びかけるも､目覚める気配はまるでない

途端､俺の腹を呪霊の巨大な腕で殴り飛ばされた

衝撃で腕から紅莇が離れ､床に叩きつけられる

俺は廊下の壁まで吹き飛ばされ､背中を強くぶつける

「いってぇ…ッ！」

『う…』

木の床に伏せている紅莇が少し呻いた

それを見た呪霊が感極まったような奇声を上げる

「アァァァあ"ッ Aッッ！！」

『…え？』

突然のことに混乱している様子の紅莇

そんな紅莇に向かって呪霊が飛びかかろうとする

「玉犬ッ！！」

咄嗟に叫んで手印を結ぶ

俺の影から額に印のある真っ黒な犬が飛び出した

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