呪術廻戦〜貳爪探し〜其ノ二

教師失格 ページ11

「お疲れ〜遅かったねぇ」

車の中で1人寛いでいる五条先生に何故かイラッとする

「おい五条 お前生徒の面倒くらいちゃんと見ろ」

私の後ろから顔を出した麻倉刑事

「げっ なんで麻倉がいんの？？」

伊津実さんは､肉親がいるためかシュンとしながら車に乗りこみ､エンジンをかける

サッサと離れたいという意思がよく伝わる

『さっき交番で偶然会ったんですよ…あ､ちゃんと狗巻先輩のスマホは回収してきました』

先生と刑事が何か言い争いをしているのを横目に､狗巻先輩のスマホの電源を入れてみた

流石にパスワードまでは分からないけど…

何日か前に高専の皆で撮った写真の背景

先輩の人柄がよく分かると同時に､スマホが鳴らなかった理由に納得した

…おやすみモードになってる

「あ､あの…もう狗巻術師を探しに行きませんか？」

伊津実さんがオズオズと私達に声を掛ける

『そうですね …狗巻先輩のいた現場に行ってみましょう 何か分かるかもしれないですし』

刑事に別れを告げ､車を発進させる

「ふえあぁ…疲れた…」

頼りない溜息を吐き出す伊津実さん

目の下の隈が更に濃くなった気がする

何かと この人も大変そうだ



「此処が狗巻術師の任務先です」

車を降りた その場所はかなりの往来がある通りだった

もう夜の10時だというのに人の行き来は止まることを知らない

『何か分かること…って言っても何もないですね…』

「それは今決めることじゃないでしょ」

何処か含みのある言い方で先生が笑う

「何の為に学長の目を盗んでAを連れ出したと思ってるの？」

『…丁度手が空いてた？』

「ぶっぶー！答えはAの逸脱した呪力の認識能力を鑑みて､だよ」

呪力の認識能力…

つまり先輩の呪力の残穢を辿るってこと…？

『…って言っても私まだ索敵の方法とか知りませんよ？』

「だろうね 教えてないもん！」

…

『そんな付け焼き刃でどうにかなるんですか…？』

「無理だよ､普通はね でもAは普通じゃないもの！」

なんだか煽られているような気がする…

普通じゃないって､まるで私がとち狂ってるような言い方だ

「ま､感覚だよ感覚 こうギュッ…って空気中をホワホワ漂ってるやつを腹の奥で感じるんだよ」

『？？？』

…試してみるしかないか

私は目をギュッと瞑り､周りのホワホワ？を感じてみようとする

『…分かんないです』

「あれ？やっぱ才能ないのかも？？」

イラッ…

『…もっと分かりやすく説明してください』

「えぇ？」

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