呪術廻戦〜貳爪探し〜其ノ二

学長の判断 ページ1

"しばらくの間､休暇をとって身体を休めなさい"

気遣われている…のだろうか

有難いけれど…呪術師にとってその言葉は…

…いいや､これ以上はやめておこう

「…今回の任務は完全に五条の独断だ 此奴は､教師であると同時に特級という位置にいるというのに…五条に変わって､私から謝罪しよう」

そう言って学長は五条先生の首を引っ掴んだまま頭を下げた

「グッ…」

それと同時に､五条先生の首は更に強く締め付けられ苦しげに藻掻く

『い､いえ 私が望んだことですし…学長が謝る必要は…それに､確かに少し疲れてますけど 休む程ではないです』

「君は呪術師であると同時に此処の学生でもある それなりの権利は主張していい」

…逆に言えば､私は学生でもあり…呪術師でもある

上の指示に従い､時には死ぬと分かっている戦線に駆り出される

死に場所さえ選べない私達に､権利などそもそも存在していないのだ

『…分かりました ではお言葉に甘えて』

「あぁ」

そんな会話を繰り広げている間にも､五条先生は学長の硬い腕の中で藻掻いていた

『…五条先生 割とガチで死にそうですよ？』

「此奴は一度そういう経験もするべきだ」

私は学長の言葉に苦笑しながら､報告書を机の上に置いて部屋を出た



〜五条side〜

本気を出せば夜蛾のヘッドロックから抜け出すなんて造作もない

僕だってAに対しては一応責任は感じてるさ

一応ね！

でも後悔はしていない

時間が経てば経つほど､Aの傷は深くなっていく

その傷を抉るなら､まだ浅いうちが良いんだ

…まぁ､その傷が治るか膿むかはA次第

棘にも少し重い任務だったかもしれないな

真希辺りが適任だったんだろうけど…

「…五条､お前よくもやってくれたな」

「えぇ〜？！僕なんかしたぁ？！」

「クズが」

「七海？！」

僕がクズなのは否定しないけど､可愛い後輩にクズ呼ばわりされるのは侵害だ

「それで､殺されたAの友人に関して何か分かったのか？」

「勿論､中々腐ってたよ？」

僕は調べたことに関して一通り説明した


「…成程 天内か…」

「そ 屋敷はどうやら盤星教の残党の根城だったみたい 負のオーラがワンサカ集まってたからね あれじゃあ呪いも湧き放題だよ」

本当に､胸糞悪い

彼奴らは…どうにも他人の人生を踏み躙るのが大好きみたいだ


「…まぁ､これからの紅莇の状態を経過観察する このまま壊れていくようなら､"高専を退学させる"という形になる」

Aの為にも…

執着→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す