愛屋及烏 【呪術廻戦】

31話 : 依頼 ページ31

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｢んあ？今なんか言ったか？｣

｢何にも言ってないが？｣

｢あっそ｣






自分から聞いておいて、興味がなさそうに返事をする男。

先程、返事をしたスーツの男は溜息をつく。






｢んで？引き受けるのか？｣

｢あー、なんの話しだっけ？｣

｢ちゃんと聞けよ｣

｢レース中に話しかけてくんのが悪い｣






と前の椅子の背もたれに足を乗せ、

行儀の良いとは言えない態度で話を聞く男。






｢はぁ…、もう一度だけ説明するぞ



呪術界の上層部からの依頼だ

とある少女を殺して欲しいってな｣


｢上層部がガキを？なぜ？｣


｢今から説明するから、黙って聞いてろ｣






スーツの男はイラついている様子を隠すことなく、

男を睨みながら話を続ける。






｢その少女は、ついこの間まで禅院家の屋敷の厳重な結界の中での監 禁されていた｣


｢はっ、ロリコンかよ｣






と鼻で笑う男。






｢……話を続けるぞ

禅院家の意向はこの先も生かさず殺さずで監 禁し続けること



だが、問題が起きた。



結界よりも少女の呪力のほうが遥かに強くなってしまった。

このままではいづれ結界を壊し、外に出て暴れる可能性がある。

だから、上層部は今のうちに何とかしてその少女を亡き者にしたいらしい｣






スーツの男が話し終えたことを確認すると、男性は口を開く。






｢…俺に依頼しなくてもガキの一人くらい余裕だろ？｣

｢さぁな、手を汚したくないだけじゃないか？｣






とスーツの男は煙草を出し、火をつける。






｢で？どうする？



片目を潰せば一億、両目で二億

殺せば五億 だそうだ｣


｢あ？目を潰す？｣


｢なんでも、特殊な目を持っているらしい。

殺せはしなくても目を潰すだけで大金が入るチャンスだ、どうする？｣


｢…良いぜ、受けてやる｣






と言うと、スーツの男は煙草の煙を吐き、口角を上げる。






｢頼むぞ、禅院｣

｢お前も、金の用意はしっかりしろと伝えて来い｣

｢はいはい｣






とスーツの男、もとい 孔 時雨 は、その場から立ち去ろうとするが、






｢ああ、忘れてた。

その少女の詳しい資料は後で渡すが、先に名前だけ伝えといてやる｣


｢興味無い｣


｢苗字は不明らしいが、名前は…Aという少女らしいぞ

じゃあ、また後でな｣






と今度こそ出口に向かう、孔。






禅院と呼ばれた男は





、
｢……やっとお目覚めかよ、お姫様…｣






と口角を上げた。











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