28話 : 嘘 ページ28
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あの後は何事もなく、楽しく朝食を済ませた。
そして、食器を片付け終え、
一息ついているところで夏油が口を開く。
「悟」
「んあ?」
「私と硝子は少し出かけてくるよ」
「なんで?」
「なんでって…
……Aにいつまでもこの格好をさせるのはどうかと思わないかい?」
とAを指す夏油。
五条はそのAの姿を見る。
自身のTシャツをワンピースの様に着ている姿が。
「私と硝子でAの服やその他の必需品を買ってくるから、
悟はAを見ていてくれ」
「あー、分かった」
と聞いているのかいないのか分からないような返事をしてテレビに視線を移す。
そんな様子に夏油は小さくため息をついてから、
Aに視線を移す。
「A」
声を掛ければ、首を傾けるA。
「君には、私たちが買い物に行っている間に
これを読んでいて欲しい」
と二冊の本を手渡す。
一冊は小説、一冊は分厚い辞書である。
「君は色々、知らなすぎる。
この先呪術師になるかならないか以前に、まず一般的な知識を身に付ける方が先だ。
本来は絵本の方がいいんだろうがあいにく持ち合わせてなくてね
こっちの小説を読んでわからない単語があれば辞書で調べて読んでみてくれ。
それでも分からなければ、悟に聞いて教えてもらうといいよ」
と夏油の言葉にAは頷く。
「じゃあ、悟、Aのことは頼んだからね」
「はい、はい」
「じゃあ、行ってくるよ」
と夏油が言うと家入も立ち上がり、
Aに頑張れ〜と声を掛けてから、リビングを出る。
その後すぐに、玄関の扉が開く音がして、閉まる音がした。
リビングに2人きり。
五条は変わらず、テレビを見続け、
Aは先程貰った小説のページを捲り始める。
テレビの中の声だけが響く時間が数分経っただろうか、
五条が口を開く。
「なぁ」
Aは答えない。
首を傾け、五条の言葉を待つ。
「……なんで嘘ついた?」
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さくら(プロフ) - コメント失礼します!読めることが嬉しいので、ルーシェさんが書きやすい方で、大丈夫です!!更新頑張ってください! (2020年11月15日 0時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
ミサカ - コメント失礼いたします。更新方法についてですが、他の皆様もおっしゃっているように私も作者様のしやすい方法がいいと思います!ただ、個人的には本誌の時間軸のも読みたい、、という葛藤もあります、、どちらでも応援しています!頑張ってください(^^) (2020年11月14日 20時) (レス) id: 621bb75200 (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - 初じめましてっ!!いつも更新楽しみに読ませてもらってます!!私は分けても分けなくても喜んで読みますっ!ルーシェさんが書きやすい方で無理ない程度にできる方で…。この作品めちゃめちゃ好きです!!更新頑張ってください!! (2020年11月14日 20時) (レス) id: a001c22ffc (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - ただ原作編の夢主が現作品から何か変化(性格とか考えとか)があった設定であった場合、ちょっとネタバレ感あるかな?と。個人的にはどちらでも嬉しいので作品さんの負担にならない方でお願いします!長文失礼しました。応援してます!頑張ってください! (2020年11月14日 19時) (レス) id: 14272ccc3a (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます。アニメ最高ですね!発狂して怒鳴られました笑この作品もめっちゃ好きです。作品のことですが出してもらえたら全然読みます!むしろwelcomeです。 (2020年11月14日 18時) (レス) id: 14272ccc3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーシェ | 作成日時:2020年10月26日 1時