42話 : 鬼ごっこ ページ42
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それから数分たっただろうか…
いや、数秒だったかもしれない……
ガッシャーン、と窓ガラスが激しく割れる音がする。
その激しい音にビックリして、
烏はベランダから立ち去る。
「あ?」
と声を出す、音の原因。
黒髪で動きやすそうな服を着ている、
口元の傷が印象的な男だ。
「……いねぇ」
と男は再度口を開いた。
男が侵入したのは間違いなく、先程までAが居た部屋だ。
だが、その部屋を見渡してもAの姿が見当たらない。
それどころか、整えられているベッドは人がいたとはとても思えない。
「…勘づかれたか?」
と部屋を歩き回る男。
ベッドの中に隠れているかもしれないと布団を退かすも、見当たらない。
シワひとつなく整えられているシーツに男が触る。
「あー、なるほどな……」
と諦めたのか、入ってきたベランダの方へと足を向ける男。
「……、ここだろ?!」
と男はベッドを押し上げる。
そして、
「見つけたぜ」
と確かにベッドの下にはAの姿が。
その姿を視認すると、男はどこからか取り出した刀をAに向ける。
Aは先程、男が退かした布団で男の視界を遮り、
その小さい体を活かして、男の横を通り抜ける。
男が開けた穴から、ベランダへ出て、柵の上に上がる。
「おいおい、そっちはもう……、
逃げらんねぇだろ!」
と先程と同じかそれ以上の速さで、容赦なく首を狙いに来る。
Aはその刀を避ける様に、
ベランダの柵の外へ身体を落とす。
その行動は男にも予想外だったのか、動きが一瞬止まる。
だが、男が止まっても関係ない。
Aの身体は重力によって下へ。
「……おいっ、」
と男は身を乗り出し、柵の下を除くが……
Aの姿は見当たらない。
「下の階のベランダか……」
と男も柵の上にのる。
「……鬼ごっこなんて、久々じゃねーか
なぁ、A…」
男は楽しそうに笑う。
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さくら(プロフ) - コメント失礼します!読めることが嬉しいので、ルーシェさんが書きやすい方で、大丈夫です!!更新頑張ってください! (2020年11月15日 0時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
ミサカ - コメント失礼いたします。更新方法についてですが、他の皆様もおっしゃっているように私も作者様のしやすい方法がいいと思います!ただ、個人的には本誌の時間軸のも読みたい、、という葛藤もあります、、どちらでも応援しています!頑張ってください(^^) (2020年11月14日 20時) (レス) id: 621bb75200 (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - 初じめましてっ!!いつも更新楽しみに読ませてもらってます!!私は分けても分けなくても喜んで読みますっ!ルーシェさんが書きやすい方で無理ない程度にできる方で…。この作品めちゃめちゃ好きです!!更新頑張ってください!! (2020年11月14日 20時) (レス) id: a001c22ffc (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - ただ原作編の夢主が現作品から何か変化(性格とか考えとか)があった設定であった場合、ちょっとネタバレ感あるかな?と。個人的にはどちらでも嬉しいので作品さんの負担にならない方でお願いします!長文失礼しました。応援してます!頑張ってください! (2020年11月14日 19時) (レス) id: 14272ccc3a (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます。アニメ最高ですね!発狂して怒鳴られました笑この作品もめっちゃ好きです。作品のことですが出してもらえたら全然読みます!むしろwelcomeです。 (2020年11月14日 18時) (レス) id: 14272ccc3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーシェ | 作成日時:2020年10月26日 1時