愛屋及烏 【呪術廻戦】

36話 : かくれんぼ ページ36

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｢んっ、んんー……、ん？｣






とうっすらと開けた瞳に、

差し込む光を気持ちが良いと思える人間だったら…

なんてことを考えながら、五条は起き上がる。



隣にはL字型のソファの1辺を独占している家入の姿が。






｢ん？｣






と目を凝らすが、夏油とAの姿が見当たらない。

辺りを見渡し、まずは時刻を確認する。



朝九時。

夏油は、朝ごはんでも買いに行ったか…



などと考える。



問題は、Aの姿が見当たらないことだ。

一応、五条が頼まれた少女だ。

行方不明になりました、なんて

夜哦に報告した日には自身の頭上に20センチ程のたんこぶが出来るだろう…



想像しただけで、背筋が凍る。



五条は早速、家入を起こさないようにリビングを出る。

恐らくは自身の部屋のベットで寝ているだろう

と考えた五条は、その部屋の扉を開ける。



が、その部屋にはAの姿はなく、

昨日一昨日で広げたであろう家入の私物が床に転がっている。






｢……触ったら殺されるな｣






と声に出してみるが、

それはただ恐怖が増すだけだったので、

何事も無かったかのように扉を締める。



続いて、五条の部屋、脱衣場、風呂場、トイレ……






｢……いねぇし｣






と次々とハズレを引く五条。



リビングに戻り、

最後に残った、昨日二人で寝た部屋の扉を見る。






｢……灯台もと暗しか…｣






と呟きながら、扉を開ける。



視界に入ってきたのは、夏油とAが抱き合って寝ている姿。

正確にはAは夏油の背中に腕を回していないため、

夏油が一方的に抱き締めている、状況だ。






｢…………？…

………、……は？｣






と目の前の状況が到底受け入れられない五条。



いやいやいや、お前らそんなに仲良くなかったじゃん

え？何？そんなにパーソナルスペース広かったの？

いや、でも、最初は俺だけに懐いてたじゃん？

夏油のこと警戒してたよな？

あれぇー？？？



と脳内で、暴れる五条。



とりあえず、深呼吸をして五条がした行動は、






｢……起きろ、前髪！！！｣






とリビングにあった、クッションを投げつけた。

後に家入がとても賑やかな朝だったと語ったことは、言う必要は無いだろう。










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