02話 : 依頼 ページ2
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「……はぁ?」
「何度も言わせるな」
間抜けな声を漏らしたのは、五条悟。
五条家の嫡男で、無下限呪術と六眼を持って生まれた青年。
真っ黒なサングラスの奥に隠された、透き通るような蒼い瞳が見つめる先には、担任である夜蛾正道が仁王立ちしている。
「今日からお前には、この子の面倒を任せる」
夜蛾は、少し後ろで静かに立っている少女を指差す。
「俺が?子どもの面倒?なんで?」
「上層部と天元様、両方から直々の依頼だ」
その言葉で、五条は初めて夜蛾から視線をずらす。
白い髪と白い肌を持つとても小さな少女。
その背丈には合わないブカブカの服に身を包み、目には黒い布が巻かれていた。
「なんで目隠ししてんの?」
「……詳しくは聞いていないが、外すなと言われている」
「ふーん」
五条は興味なさげに返事をする。
そんな五条を無視して、夜蛾は屈み少女に言う。
「君は、今日からこのお兄さんと一緒に暮らすんだ」
「俺まだ引き受けるとか言ってないんですけど!?」
断固拒否の姿勢を見せる五条。
その五条の後ろから、
「そーそー、五条に子どもの面倒は無理ですって」
「確かに、とても悟に向いてるとは思えないね」
という声がする。
女の声は、五条と同級の家入硝子。
男の声は、同じく同級の夏油傑。
2人は関係がないからか、五条を揶揄う。
夜蛾も溜息を漏らしながら、2人の言葉に頷き、
「確かに、悟には無理か。
しかし、これは任務だ。
……たとえ、自信がなくてもやってもらうしか…」
夜蛾は悪意なく、説明をしようとした。
しかし、後ろの2人は、「しょうがない、しょうがない」とさらに五条を揶揄う。
「無理じゃねーし!!」
「悟、嘘はいけない。
いくら君とはいえ、出来ないこともあるだろう」
夏油が後ろから慰めるような声で話す。
これに対し五条は、
「できるに決まってんだろ!?」
「では、依頼を受けるということでいいんだな」
「当たり前だろ!!……あ、」
ここで五条は自分の発言を後悔したが、時すでに遅し。
「じゃあ、任せたぞ」
と少女を五条の前に出し、夜蛾はそそくさとその場を離れる。
「さすが悟、優しいね」
「応援してるよー」
という2人の声の後に、叫び声が響いたのは言うまでもないだろう……
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さくら(プロフ) - コメント失礼します!読めることが嬉しいので、ルーシェさんが書きやすい方で、大丈夫です!!更新頑張ってください! (2020年11月15日 0時) (レス) id: af1bba7450 (このIDを非表示/違反報告)
ミサカ - コメント失礼いたします。更新方法についてですが、他の皆様もおっしゃっているように私も作者様のしやすい方法がいいと思います!ただ、個人的には本誌の時間軸のも読みたい、、という葛藤もあります、、どちらでも応援しています!頑張ってください(^^) (2020年11月14日 20時) (レス) id: 621bb75200 (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - 初じめましてっ!!いつも更新楽しみに読ませてもらってます!!私は分けても分けなくても喜んで読みますっ!ルーシェさんが書きやすい方で無理ない程度にできる方で…。この作品めちゃめちゃ好きです!!更新頑張ってください!! (2020年11月14日 20時) (レス) id: a001c22ffc (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - ただ原作編の夢主が現作品から何か変化(性格とか考えとか)があった設定であった場合、ちょっとネタバレ感あるかな?と。個人的にはどちらでも嬉しいので作品さんの負担にならない方でお願いします!長文失礼しました。応援してます!頑張ってください! (2020年11月14日 19時) (レス) id: 14272ccc3a (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます。アニメ最高ですね!発狂して怒鳴られました笑この作品もめっちゃ好きです。作品のことですが出してもらえたら全然読みます!むしろwelcomeです。 (2020年11月14日 18時) (レス) id: 14272ccc3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーシェ | 作成日時:2020年10月26日 1時