☆死んだ少女の答え �� ☆ エド貴方side ページ34
*
彼は戦から帰ってくるごとに、まるで別人のように変わっていった
温かった瞳は冷たく変わり、言葉は氷で出来た棘のように鋭くなった
アニマ計画に賛同するようになり、仲が良かったはずの兄様と対立するようになっていった
『自分達の魔力が足りないからと、他の者たちから奪っていいはずがない！』
『王子こそ、分からないのですか！？この世界は限界なのだ！綺麗事を言っている場合ではない』
聞こえてくる怒鳴り声に涙が滲んだ
彼が今まで埋めてくれていた心の窪みがぽっかりと空いてしまって
それを紛らわす為に、私は違う男性と会うようになっていった
まるで、出口のない迷路を彷徨うかのように、私の心は虚無感で荒んでいて
でも、一番暗闇の中を彷徨っていたのは彼。一番苦しんでいるのは彼
ルイチャーニエの嫡子に生まれて来た為の重圧
殺したくないのに、人を殺さなければいけない使命
優しい彼にはそんなものが重荷だった
彼を救いたいのに、無力な私には何もすることができなかった
そして、突然決まった彼との婚礼
彼が次の国王になる？
そんなのは駄目……
彼にこれ以上、重圧をかけないで
そんなことしたら、いずれ彼は立てなくなってしまう
優しい彼をこれ以上傷つけないで
彼と結ばれることは、今まで何度も願った夢だった
でも、今では何よりも避けたいことだった
そして私は、彼に嫌われる道を選んだ。婚礼を避けるために
『私は貴方が大嫌いです』
彼を傷つけ、遠ざけた
辛かった。彼を傷つけることも、彼が私を嫌っていくことも
胸が張り裂けそうなほど苦しかった
そして、それと同時に私は前から講じていた策を、実行していた
それは"dawn"を作ること
密かに固有結界を擁する短剣を造らせ、そこに全ての想いを託していた
そして、いずれこの世界にやってくる、もう一人の私の為に、今までの記憶も籠めた
結局、婚礼を取り止めることができず、残された最後の術は"dawn"
しかし、それは私もお父様に反旗を翻すことになる
私の想いを全て伝え、彼に夜明けを齎すことは、お父様への叛逆
"dawn"が終わった時、私の命の保証なんてない
けれど、それでもいいと思った
たとえ、私の命が消えようとも、彼を救えるならそれでいい
"dawn"が使えるのは満月の夜
実行の日は刻々と迫る
そんな時、私は崖から落ちた
*
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ルル(プロフ) - みゆうさん» はじめまして！コメントありがとうございます(｀・ω・´)ゞ一章からここまで、お疲れ様でした！！面白いと言っていただけて嬉しいです！！応援もありがとうございます！！頑張ります！！ (2016年1月24日 19時) (
レス) id: 20012244a3 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ウェンさん» こんばんは！！いつもコメントありがとうございます！！エドラス編がようやく完結し、次はいよいよ天狼島編です！！バトルシーンが増えてくると思うので、ぜひぜひお楽しみに((*´∀｀*)) (2016年1月24日 19時) (レス) id: 20012244a3 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 花純さん» こんばんは！いつもコメントありがとうございますヽ(^ω^)ﾉ ライラとのことは、段々と明かされていきます！アレンとの戦いも含め、ぜひぜひお楽しみに！！これからも頑張ります！！ (2016年1月24日 19時) (レス) id: 20012244a3 (このIDを非表示/違反報告)
みゆう - 初めまして。1章からずっと読んでやっと更新に追いつきました！とても面白いです。大変だと思うけど頑張ってください！応援してます。 (2016年1月24日 3時) (レス) id: b2beac9703 (このIDを非表示/違反報告)
ウェン - エドラス完結おめでとうございます！続編も楽しみにしてます(*^-^*) (2016年1月24日 1時) (レス) id: 698f31ad5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルル | 作成日時：2015年11月29日 20時
