[FAIRY TAIL] 妖精の尻尾の獣奏者 7

☆強欲と傲慢な男 �� ☆ 貴方side ページ32

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「そういえば………なんで兄様はあんな所にいたの？

ほら、あたし達が出会った草原よ」







ずっと気になっていたことを、聞いてみた



あの草原には家はおろか、人すらいなかったのだ



あそこに用があったとは考え難い









エドアレン「あぁ………あの近くに用があってね



あの草原の先に、崖があるんだ



その崖の下に妹は眠っている」







目を伏せて静かに言う兄様に、

あたしは目線を下げて、ただ「そう……」と言うことしかできなかった




ならば用とは、エドラスのあたしに会いに来ることだったのかもしれない………




死んだ妹に会いに来た彼は、あたしに会ってどんな気持ちだったのだろうか…………







エドアレン「でも、あの草原は思い出の場所でもあるんだ



幼い頃にね、俺と妹とジェラールと…………あと、あいつと………



四人で遊びに来たことがあってね



外出がなかなか許されない妹にとっては、とても楽しい時間だったと思う」








穏やかな笑みを浮かべて、懐かしそうに語る





だが、あたしは気づいていた




兄様が"あいつ"と言った時、僅かに眉を顰めたのを………








エドアレン「その時は満開に花が咲いていてね。そう、白い花



ここ数年は全く咲かなくなってしまったが………とても綺麗な花だった」








兄様はそこまで言うと口を噤んでしまった




二人の間に、沈黙が流れる




しばらくして、口を開いた兄様は真剣な眼差しで言った







エドアレン「ルナ………もうすぐ城に着くが………



その前に言っておくことがある



さっきの話にも出てきた、"あいつ"…………ある男の話だ」






「………誰のことかしら………？」





エドアレン「このエドラスでおそらく、一番の武人。神童とまで言われた男


今は、王都魔戦部隊、総隊長を務めている」





そこまで話を聞く限り、その男が只者で無いことはわかった



そいつが敵で、もし戦うことになれば、熾烈な戦いとなるだろう






エドアレン「強欲で傲慢。欲したモノは何としてでも手に入れる



そいつの名はーーー」








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