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「ふふ...あはは！」
慣れすぎた、というかもう何度も体験したこの感じ。
懐かしい。
「誰が、無能か、言ってみ?」
A「だから、あんたが無能！！Aっていう奴は無能！聞こえる?おばあちゃん???」
私の耳にわざと大きな声で言ってくる。
kt「あ、お...」
きんときは何も言えない...というか動けない。
BとCに無理やり腕を組まされているから。
あーあ、可哀想。
だからこいつらモテないんじゃない?w
まあブーメランで私に帰ってくる言葉だけど。
「聞こえてるよ、そ、無能だよ。私は」
でもね。
「自分で言うのもあれだけど。
有能な人殺しなんだよねぇ」
私は右手を力強く握り、彼女の頬に一発殴りを入れる。
「いったぁい！」と喚く女の脛を蹴って、腹を膝蹴りして脇腹を殴る。
楽しい。楽しい。楽しい。
ごめん。ごめん。ごめん。
彼女はへなへなと力なく座り、わんわんと泣き声を上げた。
この様を見たBとCは、Aを連れて教室から慌てて姿を消した。
Aの泣き声が廊下で反響して、此方まで届いていた。
kt「......」
「......」
私の右手にはほんの少しだけ赤い花弁が着いていた。
あーあ...折角努力して入った大学だったのに。
退学になるのかなぁ...
「きんときさん、私...美術室に行くので」
そう言う私の声は震えていた。
怖い。
脳内でその一言がぐるぐると回り続けた。
...
「はあ...」
物音一つしない美術室で、私は大きくため息をついた。
すると、カタッと準備室から物が落ちる音が聞こえた。
「誰?」
準備室を恐る恐る覗いてみると、やけに背が高い子が絵の具や筆を漁っていた。
?「あ、えーっと...榊さん?」
「......」
黒と赤のパーカーを着てヘッドフォンを首から下げている彼。
そのグルッペンとは対照的な青い瞳を忘れるはずが無い。
「ぶるーくさん。何をしているんですか」
br「んー...気分で描きたくなった」
間違いない。ぶるーくさんだ。
ベルトの後ろの方に毛先が赤い白い尾を身に付けているのが見てとれる。
「ぶるーくさんって、絵上手いんですか?」
br「んーっとね。画伯だと思う」
「......」
どうか絵の具の使いすぎは止めてくれ。
それだけを伝えて、私は準備室からキャンバスを引っ張り出す。
今回使用するのは赤系統の絵の具。
br「へぇ、僕もキャンバス使って良い?」
「どうぞ」
ぶるーくは私の隣にキャンバスを立てて、筆を右手に握っている。
今の私の感情は...赤色。
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葡萄。 - わんぱんさん» 最初から見て頂きありがとうございます!!楽しんでいただけたようで何よりです!(^∀^) (2020年8月17日 12時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん - 最初から見てきました！面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！(^o^) (2020年8月16日 22時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん - シリーズ物の途中から読んでることにたった今気づきましたww最初から見てきます！(｀・ω・´) (2020年8月16日 20時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - レモンさん» ありがとうございます!恥ずかしい...。 (2020年5月8日 23時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 何回も見たくなります。泣ける (2020年5月7日 16時) (レス) id: a277319c5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2020年1月23日 23時
