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ジリジリジリと煩く耳に響く目覚ましを止めて、ぐっと背伸びをする。
熱も下がり、体調も良く、なぜか大学に行こうと意識が働いている。
「んー...」
寝癖で横に跳ねてしまった髪をいじりながら今日着ていく服を選ぶ。
李から二年前に貰ったリュックに道具を入れる。
「行ってきます」
ドタドタと準備を終わらせた私は、食パンをくわえて家を出る。
イヤホンを両耳につけて、李にオススメされた曲を流す。
♪『努力は報われない 誰も認めてくれない』
「だから走るのを止めてしまうのか...」
この歌の歌詞は私の好みに合っていた。
失敗した時にはこれを聞いて元気を貰った。
?「______、______さん」
んー...他のオススメも李に聞こう。
?「榊、さん！」
?「Aさん！！」
腕を後ろに引かれて私は歩くのを止める。
その瞬間、私の目の前を大型トラックがかなりのスピードで走りすぎた。
引かれる...ところだった?
風圧で私の食べ掛けのパンが何処かへ吹き飛ばされてしまっていた。
あ、トラックのタイヤにくっついてる。
危険なことがあったと言うのに、私の頭は何時も通りに情報整理を行っていて冷静になれた。
「ありがとうござ、い...」
?「バカ！！じゃないの?!」
「いだぁ"！」
後ろを振り返りお礼を言おうとすると、金髪の子にバシッと頭を叩かれる。
そんなに叩かれると私の頭が馬鹿になる。
「ぅ...て、君...」
君は...
?「もー。俺行くから気おつけてね榊さん」
そういって金髪の子は行ってしまった。
耳が少しだけ赤かったが、大丈夫だろうか。熱とか...熱とか。
「きりやんさん...?」
その声も容姿は...流石に違うけど。
前世のきりやんさんと一致している。
「！...?」
そもそも同じ大学だったのか。
大学内できりやんとすれ違ったことは一切無い。
それでも彼は、なぜ私の名を呼んだのか。
「前世を知ってるとか、言わないよね」
ここで立っているのも歩行者の邪魔になるので、とにかく大学へと足を進めた。
______
私の好きな歌の歌詞を使わせて頂きました。
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葡萄。 - わんぱんさん» 最初から見て頂きありがとうございます!!楽しんでいただけたようで何よりです!(^∀^) (2020年8月17日 12時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん - 最初から見てきました！面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！(^o^) (2020年8月16日 22時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん - シリーズ物の途中から読んでることにたった今気づきましたww最初から見てきます！(｀・ω・´) (2020年8月16日 20時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - レモンさん» ありがとうございます!恥ずかしい...。 (2020年5月8日 23時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 何回も見たくなります。泣ける (2020年5月7日 16時) (レス) id: a277319c5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2020年1月23日 23時
