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ピチャッピチャッと波を踏んでずんずんと奥へ歩いていく。
冷たい。
「リセットしても変わらない」
携帯は水没させるのはなんだか可哀想で、砂浜に置いてきた。
「生まれ変わったとしても、運命はすでに決まっていいる」
逆らえない。
だから虚しい人生。
「死なんて怖くなか」
前世であれほど死と向き合ってきたのだ。
怖くなんかないし、悲しくも...
?「何しとんのや！！」
後ろの砂浜の方から聞いたことのある声がした。
そのバリトンボイスは嫌でも印象に残っている。
「嗚呼、やめてよ」
気がつけば、私は胸元のところにまで海水に浸かっていた。
グルッペンはずんずんと海の中を歩いてきて、私の目の前に来るとすぐに大きな右手で私の頭を叩いた。
「い"った！！」
gr「馬鹿か！！お前は！！」
グルッペンは大きな声で煩いくらいに叫ぶ。
馬鹿か、と死ぬ気か、と。
「いつ人生を終わらせるかなんて、私の勝手だろ！！口をはさむなや」
gr「お前は残された奴等の気持ちを知らないから言えるんだろ！！」
「気持ち?んなもん知るかよ！！だって私は！！
あんた達を殺した無能やぞ！！」
私は慌て口を両手でふさいだ。だがもう手遅れだ。
グルッペンは赤い瞳を大きく見開いて、私の頭にぽんっと右手を置く。
gr「大丈夫か?あ た ま」
「うっさいわ！！正常や！！」
右手を海面に叩きつけたため、ビシャッと顔にかかる。
gr「はっははwとりあえず上がるぞ。少しは楽になっただろう」
「私、嫌いやわ」
グルッペンに手を引かれて砂浜まで引っ張られる。
海から上がったあとは風にあたり、寒さが倍増になる。
「グルッペンは...知らんのやろ」
gr「何をだ?」
少しだけ間を置いて、大きく深呼吸をする。
「もしも、前世を思い出したら。私のこと、嫌いになってしまいますか」
グルッペン、今でも私はあんたが嫌いだ。
そんな気持ちとは裏腹に、皆が大好きだという事実も隠れていた。
gr「前世か...この前進められた前世占いをやったんだがな。
俺の前世は軍人。とある一国の総統だったらしい」
「ふはっ...なんやの、それ」
デマカセじゃあなくて、良かったな。
「ありがとう。来てくれて」
gr「ﾊｯ...なんだそれは。俺はお前を何故か放っては置けなくてな」
「もっとずっと遥か遠い何処かで会った気がするとか?」
gr「そんなところだな。お前を見ていると苦しくなる」
皆には前世...思い出して欲しくないなぁ...
私は怖いんだ。
皆に嫌われてしまうのが。
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葡萄。 - わんぱんさん» 最初から見て頂きありがとうございます!!楽しんでいただけたようで何よりです!(^∀^) (2020年8月17日 12時) (
レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん - 最初から見てきました！面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！(^o^) (2020年8月16日 22時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん - シリーズ物の途中から読んでることにたった今気づきましたww最初から見てきます！(｀・ω・´) (2020年8月16日 20時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
葡萄。 - レモンさん» ありがとうございます!恥ずかしい...。 (2020年5月8日 23時) (レス) id: 0d09c9d04a (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 何回も見たくなります。泣ける (2020年5月7日 16時) (レス) id: a277319c5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄。 | 作成日時：2020年1月23日 23時
