第2回戦 ページ5
祭りのような騒がしい声が遠くから聞こえる
「んぁっ…………」
僕はゆっくりと目を開けた
「ってあれ！？」
体も痛くなければどこも怪我をしていない。血だらけにもなっていない
ただ
「ここ…………どこだ…………？」
都会の交差点ではなく、暗い森の中だった
盗んだサンドウィッチもなければコーラもない。ただあるのは背中に背負ったバッグの中にある絵本1冊だけ
僕…………あの時、車と事故ってんのに…………！
とにかくこの森から脱出しようと遠くから聞こえる祭りのようなかけ声を頼りに走り出した
………………
草木を除け、やっと森から脱出したようで一面が開けた
「ここは…………町か……？」
どこかのRPGにでも出てきそうな大きな町。だが閑散としていて人の気配が家屋や店からはしなかった
全員あの祭りみてえなのに………？
「………そんなわけないか」
だがどこを覗いても誰もいない。流石に不安を感じた
と共に祭りのようなかけ声がすぐ近くから聞こえた
「あっちか」
『→広場』と書かれた看板を見てその通りに進んでいった
………………
「うわっ、うるせっ…………！」
広場に着くとさっきの倍近くの音量になっていた
50mはありそうな高台には緑のとんがり帽子とマントをした男が立っていて、高台の周りをここらへんに住んでいると思われる人々が囲んでいた
「さぁ、皆さんご一緒に！！ラーメン食べるの！？」
「義務なんです！」
周りを揺らすほどの大声が聞こえた
「っせぇ…………なんだこれ……」
すると高台の男がこっちに気づいたように見ると、高台から飛び降りた
「は！？」
耳の鼓膜が破れそうなほどの地響きがあり、砂煙から無傷の男が出てくると周りの人々が沸き上がった
「君たち、静かに！」
その一言で人々は静まり返った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アルバード吉田 | 作成日時：2016年8月26日 15時
