三十二花咲いて。 ページ38
練習が終わると、Aは学校を出て雷門中周辺を探索していた。
「…そういえばここ、まだあまりよく見て回って無かったな…。」
辺りを見回しながら歩いて行くと、車道をはさんだ向こう側の道に
小さな猫と一人の3歳くらいの少女がいた。
「猫、か…」
動物が好きなAが、その光景を微笑みながら見ていると
不意に猫が車道を渡ろうとしていた。
少女も猫を追うようにして車道へ飛び出す。
不運にも、車道には猛スピードで走るトラックが迫っている。
少女はそれに怯えて動けなくなり、猫を庇うようにして丸くなる。
周りの誰もが、もうダメだと思っていた。
それは丁度、その場を通っていた円堂達も同じだった。
トラックはブレーキをかけるが、間に合いそうにない。
「駄目ええぇぇぇぇぇぇぇえぇっ！！！」
Aが、車道へ飛び出した。
円堂「A！」
秋「キャアァッ！」
――ﾀｯ
ﾋｭｫｯ
ｷﾞｭｳｳｩｩﾝ!
「…ふぇ？」
「…ﾊｯ、あ、私…。」
全員、目を疑った。
Aが少女を抱き上げた途端、風の様な速さで車道を走りぬけたのだ。
勿論、少女もAも、猫も無傷である。
「ﾆｬｰ」
「…大丈夫？」
「っあ、はい。あの、ありがとう。」
「ううん。大丈夫。でも、本当によかった…怪我、無くて(ﾆｺｯ」
3歳の割に小柄な少女は、緑の天然パーマの髪を二つに結んだ頭を撫でられると
柔らかそうな頬をほころばせて笑った。
「お散歩？」
「うん。うちのおばさんにあうためにきょーとからきたの。」
「へぇ…！京都かぁ。すごく遠いんだね。」
「うん。でもおばさんにあえるからへーきだよ(ﾌﾆｬ」
少し話すと、少女の親らしき人物が迎えに来た為別れた。
円堂「A！」
秋「Aちゃん！」
「(ﾋﾞｸｯ」
後ろの少し離れた所から、息を切らした円堂と秋が。
円堂「大丈夫か？」
秋「もう、心配したのよ？いきなり車道に飛び出すなんて…！」
「…ごめんなさい。」
円堂「でも、さっきのスピードすっげー速かったぜ！
あれを磨けば、絶対上手くなるよ！」
「上手くなる」。
その言葉に、少しだけ表情を曇らせるA。
「…あれは、まぐれです。」
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遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2020年5月20日 23時) (
レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
みっくす。 - この小説、とっても面白いです！！逆ハーってのがいいですね！ 更新待ってます！ (2019年4月14日 15時) (レス) id: ebaa9545e3 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - この小説最高です、逆ハー原作なのが最高です！不動と鬼道最高です！更新再開楽しみにしています！頑張って下さい！ (2018年10月14日 18時) (レス) id: 097333551a (このIDを非表示/違反報告)
クレア - この小説大好きです！続きがみたいです！更新お願いします･ﾟ･(｡>д<｡)･ﾟ･ (2018年5月11日 22時) (レス) id: e762c2a0b2 (このIDを非表示/違反報告)
華衣 - このコメント、小説を見ているならこの小説を更新してください。この小説が好きなんです！！ (2017年5月28日 16時) (レス) id: 9a19707e3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽよよ☆ | 作成日時：2014年11月2日 15時
