人格6人 ページ10
「は？」
すべてのきっかけは、人格の一人であるリサリサ先生からの一言だった。
『A。貴方にはこれから、波紋の修行をしてもらいます』
波紋。
特殊な呼吸法により、体を流れる血液の流れをコントロールして太陽光の波と同じ波長の生命エネルギーを生み出す技術らしい。
技術とはいっても才能がなければ使うことは出来ず、才能があったとしても実践で主力とするためには死んだほうがマシってくらいの過酷な修行をしなければならないという。
これはジョセフやシーザーから聞いた話だ。二人はかつてその「波紋法」を使って、ヒーロー活動のような事をしていたらしい。リサリサ先生は二人のお師匠様でもあったという。
でも私にその波紋ってやつの才能があるなんて思えないし、そもそもなぜ急に？
『…もしかして、気づいていないのかしら。幼い頃から深呼吸するときに、おかしな癖がついているでしょう？』
「内側」から問いかけられて、そういえばと首をひねる。
確かに私は生まれつき他の人より長く時間をかけて呼吸することができた。深呼吸するときも、喉の奥から「コオォォ」と変な音を鳴らす癖もあった気がする。
病気かと思ってお医者さんに診てもらった結果、異常がなかったからすっかり忘れていた。
『そのおかしな癖こそが、波紋の呼吸そのもの。あなたには、間違いなく！波紋の才能があるのよ』
ピシャリと言い切った彼女に対して、それならなぜ最初からそう言ってくれなかったのかと疑問に思う。
確かに言われたところで何も行動しなかったかもしれないが。
そんな私の疑問を精神内で感じ取ったのか、リサリサ先生は心なしか沈んだ声で続ける。
『……普通に、平穏に生きていてほしかったから言うつもりはなかったのだけれど……雄英高校のヒーロー科に進むのなら、使えるようにしておいて損はないわ。
今のあなたの体では、シーザーとジョセフは勿論、私の人格も全く扱えません。私達が憑依したところでサポートできるのは動き方のみ。実際の技術や身体能力は、あなた自身に依存するの』
……つまり、シーザーやジョセフが私に憑依しても私の実力の範囲内でしか動けないってこと？
そう聞けば、その通りだと頷かれる。
……それ、なんか嫌だな。私の実力不足で二人が満足に動けなくなるのは、なんだか嫌だ。
どっちにしろ私に拒否権はないらしい。ハキハキした声で、明日から修行を始めると告げられた。
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リリィなモモ(プロフ) - これめっちゃくちゃ続きが気になる…更新日が約3年前… (1月31日 20時) (
レス) id: 6ff453207e (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - 設定や描写が凝っていてすごく面白かったです！更新待っています (6月8日 22時) (レス) @page14 id: 52318af24f (このIDを非表示/違反報告)
忍者しか勝たん - なんか、、本当にすごい(語彙力無くてすみません)更新良ければ頑張って下さい (6月6日 13時) (レス) @page14 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 一緒に合作しませんか？ (2021年9月7日 22時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年9月7日 22時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっくりみーさん | 作成日時：2017年5月13日 22時
