【ニーチェ先生】777の常連さん (ページ1)

今日:2 hit、昨日:13 hit、合計:10,179 hit

彼女の印象が変わった瞬間。ページ1

僕が夜勤のコンビニバイトを始めて間もないころ。
ちょっと厄介なお客様に理不尽なクレームをつけられて気分が落ち込んでいた時。

「あの、これとフライドポテト下さい。」

籠に三つのアイスとちょっと高めのスイーツを入れた高校生くらいの女性のお客様。

松駒「はい。えーっと…合計917円になります。」

アイスを袋に入れ、ポテトを温め、お客様に差し出して彼女は帰るかと思いきや。

「あの、これどうぞ。」

カウンターに差し出されたのは、お客様が買われた少しお高めのスイーツ。

松駒「えっ？」

「本当はこういうのいけないかもしれないですけど…
　先ほど、理不尽なクレーマーさんがいらしたじゃないですか。
　けどそれに嫌な顔一つせずに対応されていて…
　その、これからも頑張って下さい。」

そのケーキ、最初から店員さんに渡すつもりで買ったので。

そう残して「ありがとうございました」とお辞儀までして店を後にした彼女。
お客様のイケメン過ぎる行動に、危うく僕の心は奪われかけました。

その事をオーナーに放してみたら、彼女は昔からこのコンビニに通ってくれている
常連さんらしく。

オーナーとも会って世間話をするくらいには仲が良いみたい。

とにかく、僕が今までこんなバイトを辛いと思いつつもずっと続けてこれたのは
その常連さんの存在が大きかった。

…うん、まぁ、何が言いたいかと言うと。

客「あぁん！？ふざけんなよ！お客様は神様だろうが！」

「神は死んだ」

と言い放ったゆとり世代ならぬさとり世代の大型新人に便乗して
後ろからボソッと、しかし聞こえる声で

「この世に神様が本当にいたのならこの世はもう少しマシになってますよ。
　それよりお客様が神様=お客様=自分=神様って…ﾊｯ」

と見事に死んだ目で嘲笑った彼女が常連さんだなんて信じたくないです誰か嘘だと言ってくれ。