黒バス 短編集 【オレンジ】

【恋愛対象】　笠松幸男　燐華sリク ページ28

俺は、女子が嫌いだ。というか、苦手だ。
　
だけど、どうしてだか たった１人
　
女子だけど、普通に喋れる奴が俺の近くに居る。
　
　
「おーい、幸さん。」
　
「何だ、A。」
　
「いや、メニューこれでいいのか確認。」
　
俺の事を水戸黄門に出てくる角さん助さんみたいなあだ名で呼ぶのは
　
同い年のマネージャーである陽冬A。
　
「あぁ、これでいいぞ。」
　
「そういやさっき、また上手く話せてなかったな、女子と。」
　
ケラケラ、と俺を嘲笑うように笑うA。
　
「仕方ねぇだろ//苦手なんだしよ。」
　
からかわれるのが恥ずかしくて、恥ずかしさを隠すために
　
思い切りAのショートヘアをくしゃくしゃにしてやった。
　
「うわ、最悪。馬鹿幸さんが！」
　
俺とAは、小中高とずっと一緒だった。
　
それだからか、Aだけは女子でも普通に喋れる。
　
だけど、１つ矛盾も生じる。
　
小中高一緒の女子は、他に１、２人居るがそいつらとは普通には喋れない。
　
「馬鹿言うな。お前が悪い。」
　
「あたしとは話せるのに、他の人になったら話せないとかただの馬鹿しか言いようがない。」
　
…確かに、Aの言うことは一理ある。
　
だけど、Aは他の女子とは何かが違う。
　
いや、俺の中で他の女子とは何かが違うんだ…。
　
「でも、あたしも幸さんとしか話せないや。男子免疫力ないし…」
　
「は？聞いたことねぇぞ、そんな話。」
　
「おーい、マネージャー。」
　
そんな時、タイミングよく小堀がAを呼んだ。
　
「え、あ、…ナニ？」
　
オイルを差す前の動きが鈍いロボットのような返事。
　
「Aも人のこと、言えねぇじゃねぇか。」
　
　
恋愛対象
　
あいつと普通に話せるのは、他とは何かが違うからなんだけど…何だ？
　
　
(き、緊張したぁ…)
　
(お前も、俺と同じ馬鹿だな)
　
(知ってますぅーだ！幸さんに言われなくても、分かってるんだから)
　
　
燐華s
　
リク、ありがとうございました。
　
伊月の「７月７日」は本日が七夕に乗っ取り書かせていただきました。
　
笠松は、まだ「好き」って言う気持ちに気づいていない状態の話なので
　
甘い要素が全くないですよね…。
　
どちらかといえば、ほのぼのしてる感じになってすみません。
　

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