黒バス 短編集 【オレンジ】

【通り雨】　高尾和成　★瑞希Ψ(六∀・)sリク ページ21

「通り雨」
　
梅雨のこの季節には、よくあることだ。
　
授業中に好き勝手に降るのはいいけど、帰り際の通り雨は御免だ。
　
　
「うっわー、だりぃ。」
　
体育館を出た時は、確かに雨は降っていなかったのに
　
昇降口まで出ると、残念だったなと嘲笑うように雨の音が鼓膜を嫌味気に揺らしていた。
　
「俺、傘持ってないっつーの。」
　
家まで、ダッシュで帰るにしても距離が有りすぎるし、
　
びしょ濡れは、もう確定済にほど近い。
　
「あの…、よければ傘貸しましょうか？」
　
声をかけられ、その方向を向くと同じクラスの田堀Aだった。
　
「え…、でも田堀が濡れるって！」
　
「折りたたみ持ってるんで。」
　
手に水色の傘を手にしているけど、鞄の中からピンク色の折りたたみを取り出す。
　
「どうぞ？」
　
Aは、水色の傘を俺に手渡す。
　
「いや、折りたたみでいいって。俺は。」
　
ピンクの傘でも、傘には違いないし、濡れるよりはよっぽどマシだ。
　
「いえ。高尾君は男の子だし、ピンクなんて嫌でしょう？」
　
にこっ、と優しい笑みを浮かべるA。
　
傘を貸してくれるに次いで、男の俺に配慮して水色の傘を貸すなんて。
　
俺の心に、その優しさはドストライクすぎてヤバい。
　
「さ、サンキュー///」
　
「じゃあ、私はこれで。」
　
ピンク色の傘をさして、雨の中に消えていくAの背中を俺はずっと見つめていた。
　
「(…惚れた。)」
　
　
通り雨
　
って、これで明日話せる口実になるじゃん！
　
　
(田堀、昨日サンキューな！)
　
(ううん、大丈夫だった？)
　
(おう、Aのおかげでな！)
　
(え、あの…名前///)
　
(ダメ？俺、名前でAのこと呼びたいんだけど？)
　
　
★瑞希Ψ(六∀・)s
　
リク、ありがとうございました！
　
今、梅雨なんで雨のことを書いてみました！
　
何か、私が書く高尾は、「惚れた」をよく使うような…
　
　
よければ、またリクしていってください。

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